2025年2月20日
第8回 生命(いのち)を見つめるフォト&エッセー 受賞作品
中高生の部【優秀賞】
「生命の価値」
ンバ 桃理愛(16歳)東京都
生命と聞いて、力強さや輝きを感じる人が多いであろう。しかし私は同時に無力さを感じる。
私は幼少期をアフリカで過ごした。そこでは死が日本よりずっと身近にあった。先週まで一緒に遊んでいた子をしばらく見ないと思っていたら、マラリアで亡くなったと聞かされたり、妊婦の親戚が出産中に亡くなったり、まだ小さい赤ちゃんが下痢の長期化により亡くなった話もよく聞いた。ついこの前まで目の前にいた人がいなくなる。幼いながらにこの出来事は、悲しいというよりも、とても不思議な感覚に陥っていた。
日本では、赤ちゃんが生まれ、成長していくことが当たり前のように感じる。亡くなる時は、長い病院生活を送った後で、急に亡くなるのは事故に限られていて、それ以外で突然に亡くなることが特別なように感じる。風邪や下痢といったありふれた病気であっという間に生命が奪われてしまう。これは幼い私にとってあまりにも現実味がなかった。しかしいつまで経ってもその人には会えない。この現実に大きな絶望感を味わった。幼い弟や妹がマラリアで高熱を出すと、明日にはいなくなってしまうのではないかと恐ろしくなり夜も眠れない日もあった。少し難しい手術が必要な時は、飛行機に乗ってヨーロッパに行く必要があるが、その資金が調達できず家族を亡くす人もいる。コロナ禍では、このような状況が多くみられた。人工呼吸器を
誰一人取り残さないを目標に、持続可能な社会を作るためのこのイニシアチブは、様々な分野で17の目標を掲げている。私は、これに感銘を受け、アフリカでSDGs開発目標の
アフリカの人達は、どんな環境でもたくましく生きています。満足なものがろくになくても、空き地ではだしでサッカーをして遊ぶ子ども達の輝きにあふれた笑顔がそこら中にあります。赤ちゃんが生まれた時、手術が成功した時、彼らは大きなお祭りを開いて朝までごちそうを食べ、踊って、歌って、お祝いをする。その時のみんなの
生命の価値はみな平等であるはずだ。しかし、救える生命にはまだまだ地域や貧富によって格差が残っている。その上医療でどうしようもできないことが現代医療をもってしてもある。SDGs開発目標が掲げる2030年には誰一人取り残さない世界を実現できるよう、若い世代の私達ができることをしていきたい。そして、一つ一つの命に真剣に向き合い一生懸命生きていくことで、自分自身の生命をもっともっと輝かせ価値あるものにすることができると考える。
第8回 受賞作品
一般の部: 【 厚生労働大臣賞 】
【 日本医師会賞 】
【 読売新聞社賞 】
【 審査員特別賞 】
【 審査員特別賞 】
【 審査員特別賞 】
【 入選 】
【 入選 】
【 入選 】
中高生の部:【 文部科学大臣賞 】
【 優秀賞 】
【 優秀賞 】
【 優秀賞 】
小学生高学年の部(4~6年生):【 文部科学大臣賞 】
【 優秀賞 】
【 優秀賞 】
【 優秀賞 】
小学生低学年の部(1~3年生):【 文部科学大臣賞 】
【 優秀賞 】
【 優秀賞 】
【 優秀賞 】