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旧姓のまま働きたい場合はどうしたらいい?
公開日:2022.04.27 / 最終更新日:2024.04.01- 旧姓使用のメリットと
- デメリットを
- 正しく理解しましょう。
① 旧姓を使用できるものとできないものがあります
日本では選択的夫婦別姓が認められていないため、結婚等に伴いどちらかが改姓をする仕組みになっています。ただし、住民票やマイナンバーカード、パスポートなど、旧姓を使用または併記できるものも徐々に増えてきています。
医師ならではのものとしては、医師免許証・保険医登録票・麻薬取扱者免許証には、旧姓を使用または併記することができます。ただし、保険医登録票は、地方厚生局をまたいで常勤先を異動する場合の再交付や、そのほか何らかの事情で登録票を再交付する場合には、新姓での登録しかできませんので気を付けましょう。
職場での旧姓使用については、勤務先により対応が大きく異なるのが現状です。規定や前例がなくても対応してもらえる場合もありますので、事務部門に相談してみてください。
旧姓使用の可否 | |
医籍 | 不可。(戸籍と同じ姓のみ) |
医師免許証 | 希望すれば旧姓の併記が可。旧姓の時の医師免許証を継続使用可。(書き換えの義務なし) |
保険医登録表 |
使用可。(保険医の氏名変更届に「旧姓使用を希望する」旨の記載が必要) ただし、地方厚生局をまたいでの常勤先の異動や紛失・き損にともなう再交付に関しては新姓のみ可。 |
麻薬取扱者免許証 |
新姓の後に括弧付きで旧姓の併記が可。 (旧姓・通称名のみは不可) |
医師資格証 |
新姓の後に括弧付きで旧姓の併記が可。 (旧姓・通称名のみは不可) |
勤務先(職員証などを含む) |
勤務先によるが、使用可の場合が多い。 ただし、給与振込先の銀行口座、給与・賞与などの明細、社会保険等には新姓が記載される。 ※詳しくは勤務先の事務部門(総務課・人事課など)にお問い合わせください。 |
学位・論文・科研費申請等 |
旧姓・通称名等の使用可。 論文等において新姓と旧姓を併記することも可能だが、研究者情報データベースによっては、うまく検索できない場合がある。 ※詳しくは所属先の上長や先輩に尋ねてみましょう。 |
医籍 |
不可。(戸籍と同じ姓のみ) |
医師免許証 |
希望すれば旧姓の併記が可。旧姓の時の医師免許証を継続使用可(書き換えの義務なし) |
保険医登録表 |
使用可。(保険医の氏名変更届に「旧姓使用を希望する」旨の記載が必要) ただし、地方厚生局をまたいでの常勤先の異動や紛失・き損にともなう再交付に関しては新姓のみ可。 |
麻薬取扱者免許証 |
新姓の後に括弧付きで旧姓の併記が可。 (旧姓・通称名のみは不可) |
医師資格証 |
新姓の後に括弧付きで旧姓の併記が可。 (旧姓・通称名のみは不可) |
勤務先(職員証などを含む) |
勤務先によるが、使用可の場合が多い。 ただし、給与振込先の銀行口座、給与・賞与などの明細、社会保険等には新姓が記載される。 ※詳しくは勤務先の事務部門(総務課・人事課など)にお問い合わせください。 |
学位・論文・科研費申請等 |
旧姓・通称名等の使用可。 論文等において新姓と旧姓を併記することも可能だが、研究者情報データベースによっては、うまく検索できない場合がある。 ※詳しくは所属先の上長や先輩に尋ねてみましょう。 |
※その他、医師会や学会などといった所属先での旧姓使用を考えている場合は、各窓口にお問い合わせください。
➁ 問題点を把握して選択しましょう
旧姓の使用が必要になる大きな理由の一つに、キャリアや業績の分断を避けることがあります。特に、旧姓で研究成果や論文を発表している場合や、旧姓での診療実績が院内で認められている場合などは、旧姓を使用することによって実績が一貫して自身のものだとわかりやすく、大きなメリットがあるでしょう。
その反面、旧姓使用のための手続きは煩雑なうえに、使用が認められない場面も多々あるというデメリットもあります。複数の姓が混在することによって、思わぬトラブルや不利益を被る可能性もないとは言えません。
メリットとデメリットを正しく把握し、自身にとってより良い方を選択しましょう。
【体験談】 離婚して、婚氏続称を選択しました(内科、40代)
私は離婚後も、婚姻によって改めた姓のままとする「婚氏続称」を選択しました。離婚成立から3か月以内に届け出ることで、戸籍上も婚氏のままとなります。
一番の理由は、改姓手続きが大変だったためです。住民票や運転免許証、医籍の変更といった公的な手続きはもちろんですし、子どもの持ち物の記名を一から直さなければならないなど、細かい作業がいろいろなところで発生すると思うと、ただでさえ忙しいなか困難だと感じました。
元夫の姓を名乗り続けることに複雑な思いがないわけではありませんが、仕事でもプライベートでも、改姓による苦労をせずに過ごせていることを考えると、良い選択だったのではないかと思います。
また、子どもが婚氏に慣れ親しんでいたことも大きなポイントでした。将来、子どもが結婚し、戸籍が自分だけになった場合には、また考え直そうと思っています。
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私は子育て中、臨床以外の仕事や、医療者教育といった分野で非常勤として働くことはありました。子育てが一段落し、再び医師としてフルで働ければと思いましたが、臨床の現場からは20年以上離れており、知識も手技も古くなっていたため、常勤でしっかり働くには再研修が必要だと思いました。
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