【整形外科】斧出 大紀先生
(豊見城中央病院 整形外科)-(前編)
――整形外科を選んだきっかけを教えてください。
斧出(以下、斧):学生時代からとにかく外科系に興味がありました。手を動かすことと手術室にいることが好きで、大学でも座学より解剖や一次救命処置に興味がありましたし、臨床実習で手術室に入る機会があると、「帰っていいよ」と言われてもずっと残っていたくらいです。
手術室で働く科である麻酔科にも興味があり、研修医2年目で麻酔科と整形外科をじっくり回りました。そのうえで、やはり術中の全身管理よりも、手を動かして治す方が好きだと思い、整形外科を選びました。
――専門研修先はどのように選ばれましたか?
斧:地元の大阪に戻って働きたいという気持ちもありましたが、福岡大学に残ることにしました。福岡の、都会と田舎の良いところが合わさった感じが好きなんです。また福大の医局には、沖縄を含めた九州全域や全国にも関連病院があるため、様々な地域の患者さんに出会えると思いました。
それに福大の整形の先生方は、学生にも熱心に医局のビジョンを伝え、巻き込んでいってくださいます。フォローが手厚く、若手が大事にされるので、入局者も多く、医局全体にも活気がありました。
――専門研修の1年目はどのような仕事をしていましたか?
斧:最初の3か月に勤務した福西会病院では、外傷患者さんの執刀医を任されることもありました。大腿骨頚部骨折や小さな骨折のピンニングといった手術を執刀していきました。臨床研修中にも手術の助手に入ることはあったのですが、いざ自分で執刀するとなると大変さは全く違います。本を読んだりしてやり方を頭に入れたつもりでも、実際に手を動かしてみないとわからないことがたくさんありました。今振り返ってみると、上級医の先生方が非常に丁寧にフォローしてくださっていたんだなとつくづく感じますね。
7月からは大学に戻りました。福岡大学の整形外科は、股関節、膝、足、脊椎、肩・ハンド・腫瘍の大きく五つのグループに分かれており、救命救急の外傷グループにもメンバーを出しています。レジデントは3か月ごとに各グループをローテーションしていくのが原則で、私は膝、救命救急、足の順番で回りました。大学では手術の助手と病棟管理を任され、基本的知識、治療の進め方、カンファレンスの仕方などを学んでいきました。
【整形外科】斧出 大紀先生
(豊見城中央病院 整形外科)-(後編)
――専門研修2年目の今は沖縄の豊見城中央病院にいらっしゃるんですね。
斧:はい。今は股関節チームに属しつつ、救急対応もしています。患者さんの初診から入院、執刀まで、できる限り任せていただいています。ここは琉球大学出身の先生や他大学の先生が多く、福大の医局とはまた違った感じがありますね。福大出身の先生だけがいる病院と比べて、手術の雰囲気も違いますし、全身管理の仕方にもそれぞれの医局のやり方があって、勉強になります。他の若手の医師も少ないため、かわいがっていただいています。
沖縄ならではだと感じるのは、離島から紹介されて来る患者さんの対応です。朝一番の飛行機で来て、夕方に帰ってしまう方が多いので、当日すぐに検査ができるか、次に来院できるのはいつか、などを確認して調整します。個人の事情を汲みながら臨機応変に対応していくことは難しいですが面白いですね。
――整形外科の良さはどんなところですか?
斧:整形外科では、患者さんは術後すぐに自力でご飯を食べて、元気になって帰っていく方が多いです。患者さんの元気な姿を見られるのは嬉しいです。
仕事とプライベートの区別をしっかりつけるようにしている先生も多いように思います。スポーツに打ち込んでいる先生も多いですよ。私もスキューバダイビングなどをしています。土日も、朝に入院患者さんの様子を見に行って、その後、海に行ったりしています。
――将来の展望をお聞かせください。
斧:大学院で研究する道もありますが、私としては、外来で患者さんと話をして、手術して治療して、というスタイルを基本にしたいです。福大の医局は、医局員の多様な目標をしっかりサポートしてくださるので、非常にありがたいですね。どの専門分野に進むかはまだ決めていませんが、様々な地方で経験を積めたらと思っています。
医学部卒業 | 2015年 福岡大学医学部 卒業 | |
卒後1年目 | 福岡大学病院 臨床研修 | 2年目には、福岡リハビリテーション病院で3か月間整形外科を回りました。毎日手術の助手に入り、手術の基本をしっかりと教えていただきました。 |
卒後3年目 | 福岡大学病院 整形外科 専門研修 福西会病院 整形外科 | |
卒後4年目 | 豊見城中央病院 整形外科 | 当院を含め、沖縄の病院は症例数が豊富で、非常に勉強になります。 |
2015年 福岡大学医学部 卒業
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