釜萢敏常任理事は3月30日に記者会見を行い、政府の対策本部会議が3月28日に「基本的対処方針」を決定したことを受けて、今後の課題等について説明を行った。
同常任理事は、「対処方針にも触れられている、重症者を入院させ、軽症者を退院させるためには、退院の基準を変更する必要がある」とした上で、基準を変更するには「家族への感染をどのように防ぐか」「家では対応が難しい場合に、どのような施設を準備できるか」「退院した方の日々の健康管理に当たる人員の確保」などの課題があるとし、国に対して、その対応を求めた。
また、外来については、医師が必要とした場合にはPCR検査ができるようにしてもらわなければならいと改めて強調。「まだうまくいっていない地域もあり、改善が必要だ」と述べた。
更に、地域の感染状況の指標として、新たに「地域の病床数と重症者の割合」を加えるべきとの考えを明示。「このバランスが崩れてしまうと、医療崩壊にもつながる」として、今後、この指標を確認していくことが重要になるとした。
その他、記者との質疑応答の中で、特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を政府が発令すべき時期について質問された同常任理事は、多くの専門家会議の委員は、「爆発的な感染が起きてから宣言を出しても遅い」という認識をもっていることを紹介。あくまでも個人的な意見とした上で、「現状は、宣言を出しても良い状況にあるのではないか」とした。
また、宣言の対象地域については、「今後データを精査しなければならないが、東京都に絞らず、近隣の県にも広げるべき」との考えを示した。
問い合わせ先
日本医師会健康医療第2課 TEL 03‐3946‐2121(代)