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令和7年(2025年)5月5日(月) / 日医ニュース

勤務医委員会・病院委員会合同委員会を初開催 松本会長も参加し医師の働き方改革、勤務環境改善などで活発な意見交換

 勤務医委員会・病院委員会合同委員会が4月11日、日本医師会館でWEB会議との併用により開催された。
 今回の合同委員会は、勤務環境の改善等を通じて、できるだけ多くの病院勤務医に医師会活動に参画してもらうための方策等を検討することを目的として、初めて行われたものである。
 合同委員会には松本吉郎会長も議論の途中から参加し、「病院経営や医師の働き方に日本医師会がしっかりと関わっていくことが、究極的には組織強化につながるといった視点で今後は取り組みを進めていきたい」と述べ、両委員会の委員に対して引き続きの協力を求めた。
 当日は、今村英仁常任理事が合同委員会の開催趣旨を説明した後、一宮仁勤務医委員会委員長/福岡県医師会副会長から、事前に勤務医委員会委員から出された本日の議論のテーマとして、「医師の働き方や新たな地域医療構想への対応」「勤務医の医師会活動に関する考え」「女性医師への就業支援」などが示された。
 その後は、松田晋哉病院委員会委員長/前産業医科大学医学部教授の司会の下、フリーディスカッションが行われた。
 その中では医師の働き方改革について、多くの委員から「医師の研鑽(けんさん)が不十分になっている」「時間を管理されることによってモチベーションが下がっている」といった懸念の声が示された他、医療界側から制度の改善を求めるべきといった主張や、若い医師を対象として医師の働き方改革に対する意識調査を行うべきとの意見も出された。
 この問題に対して城守国斗常任理事は、当日示された意見に理解を示した上で、「病院管理者の制度に対する更なる理解が必要」と述べるとともに「労働基準法の枠を超えて制度を変えることは難しいが、問題が起きているのであれば、ぜひ、そのエビデンスを示して欲しい」と要望した。
 「女性医師への支援」に関しては、「この問題を解決しなければ、今の医療提供体制が維持できなくなる」といった意見や、女性医師が働きやすくなるためには、保育所の整備、医局員を増やすばかりでなく、科長の理解が大事になるといった意見も出された。
 その他、病院勤務医に医師会活動に参加してもらうために必要なこととして、「勤務医が地域の医療提供体制にどのように貢献しているかを意識してもらう」「医師会による診療報酬改定への取り組みが勤務医の日常の診療の円滑化に役立っていることを理解してもらう」「学校医や産業医などの業務に、より携わってもらえるようにする」「医師会費の負担を病院側から支援することも検討する」―ことなどが挙げられた。
 また、今後に向けて、病院勤務医が医師会活動に参加しやすくなるよう、病院としてどのような方策が取れるかについて、病院委員会で検討を進めるよう要望が出された。

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