長島公之常任理事は11月20日に記者会見を行い、日本医師会で実施したSNS等における誹謗中傷についてのアンケート結果等を踏まえて、「SNS等における誹謗中傷の相談窓口」を設置することを明らかにした。
同常任理事は、まず、昨今、口コミサイトやSNS等で悪質な書き込み被害が増加していることに言及した上で、医療機関においても同様の被害が発生していることを指摘。本年6月22日開催の第156回日本医師会定例代議員会においても「SNSなどによる悪質な投稿に対する対応や取り組みについて」の質問が出されたことを受けて、会員の現状を知るために、本年10月に約1カ月にわたって、SNS等における誹謗中傷についてのアンケートをWEBで実施したことを説明した。
アンケート結果については、4730件の回答があり、「SNS等で自身の医療機関に対する誹謗中傷等の書き込みがあった」と回答した医療機関は3641件(77%)に上ったことを強調。
書き込みに対する対応として、「サイトやSNSの運営元に削除を求めた」のは1069件(23%)であり、この他にも「本人に削除を求めた」「弁護士などの専門家に具体的な対応を依頼した」「書き込みに対して丁寧に返信した」など、さまざまな対応を取っている医療機関が多いものの、該当の書き込みが削除できたのは20%の医療機関に過ぎず、削除することが難しい現状があることが明らかになったとした。
更に、誹謗中傷の書き込みがあった場合に、誰かに相談したいと思った医療機関は3890件(82%)であり、相談したい内容については、「(法的観点を含めて)書き込み削除の相談をしたい」が2720件(58%)、「具体的な相談ができる行政機関や専門家を教えて欲しい」が1935件(41%)、この他にも「精神的苦痛を和らげたい」「SNS事業者の書き込み削除ポリシー等について知りたい」などの回答もあった他、相談の手段に関しては、「電子メール(インターネット上の相談フォーム含む)」が3613件(76%)、次いで「電話(2373件、50%)」が多く、日本医師会で相談窓口を設置したら利用したいと思う医療機関は3658件(77%)に上っているとした。
その上で、長島常任理事は、WEBアンケートのため一定程度のバイアスがかかっていると考えられるとしつつも、「これらの結果からも相談窓口に対する需要が高いことから、今回の設置をすることになった」と説明。現時点での相談窓口の概要として、対象はSNS等における誹謗中傷を含むペイシェントハラスメント全般、受付方法は電話及びWEBフォームで、利用対象者は日本医師会会員並びに会員が開設・管理している医療機関の医療従事者とすることを明らかとし、「2025年1月頃にはその運用を開始したい」と述べた。
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