日本医師会の入会率向上は重要課題である。しかし、自分も勤務医時代に日本医師会の入会を考えたこともなかった。
日本医師会を意識したきっかけは、消費税問題である。消費税は1989年4月から実施されているが、1993年に開業して、薬価差が縮小していき、薬価と消費税の関係が気になり、いろいろ調べてみた。
その中の一つが『日本医師会通史』である。1989年分を見ると、「薬価基準の引き上げ幅は、消費税が4月実施のため、社会保険財政の会計年度の3月~翌年2月に照らし合わせると対象月は11カ月となり、在庫を1カ月見込んで10カ月分とされ、実質引き上げ幅は2・43%となった」となっている。
この記述では、薬価に3%の消費税が付加されたのに2・43%しか値上げしない理由が理解できなかった。
更に調べてみると、これは3・0%×0・9×0・9=2・4%よりの計算であり、最初の0・9は当時の薬の流通価格は薬価より10%以上低いからと説明され、次の0・9は在庫1カ月分調整率とのことであった。
しかし、この在庫1カ月分調整の必要性はいまだ理解できない。これは本当に必要だったのだろうか。その後の消費税改定では存在しないことからも疑問は深まる。
消費税問題に限らず、医療に関しての疑問、意見等をお持ちの方は多いと思う。このようなことを相談できる場が日本医師会にあれば、会員の関心も少しは高まり、組織強化にもつながるのではないかと思うが......。無理な話だろうか。
(安倍レイジ)