今号では、本年6月25日に開催された第154回日本医師会定例代議員会において選任・選定された4名の常任理事の抱負を紹介する。 |
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坂本 泰三 常任理事
このたび、近畿医師会連合会にご推薦頂き、常任理事に選任・選定を頂きました坂本泰三でございます。皆様方のご支援に深く感謝申し上げます。
これまで、兵庫県医師会常任理事として、兵庫県医師会シンクタンクリーダー、地域医療(在宅医療)・介護保険(地域ケア)、医療保険、医療情報・ICT化、医療安全対策委員会を担当、また兵庫県の地域医療構想アドバイザーを担当して参りました。
これからは松本執行部のチームの一員として、医療界を取り巻く過渡期にある多岐にわたる重要課題、特に医療政策の充実と組織強化のお力になれるよう強い覚悟をもって取り組んで参ります。
日本医師会では、組織強化、介護保険・福祉(認知症を含む)、地域医療、公衆衛生・禁煙対策・がん対策、健・検診等の副担当を担うことになりました。
現在、日本は急激な人口減少及び少子高齢化による生産年齢人口の減少に向かっており、20年後の地域医療(在宅医療)と地域包括ケアシステムの維持と整合性が取れるように現場感覚で取り組んで参ります。
また、医療・介護関係者が誇りをもって気持ち良く仕事ができる環境を目指すことが、国民から信頼される医療・介護提供体制の構築につながるとの信念の下、医師会の先人達の足跡に感謝しつつ、国民にとって良質な医療・介護提供体制の充実に尽くして参ります。
ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
濵口 欣也 常任理事
このたび、日本医師会常任理事を拝命しました濵口欣也と申します。
国民の生命と健康を支え寄り添う役割の一端を担うこととなり、身の引き締まる思いです。
これまで、福岡県医師会におきましては、母子保健、母体保護、医事調停、医療安全、医療事故支援、学校保健、地域医療、診療所などを担当して参りました。
とりわけ私の専門分野におきましては、周産期医療を支える分娩取扱機関における医師の健康確保、地域医療体制の確保、医療の質の担保を見据えた医師の働き方改革、保険適用化された不妊治療の現在の課題、全世代型社会保障法案の中の主要事項に明記された出産・育児一時金の引き上げ、出産費用の見える化、出産費用の保険適用化、母体保護法における同意の問題、緊急避妊薬のOTC化、経口中絶薬の運用など重要な課題がございます。
特に、出産費用の保険適用化に関しては、周産期医療体制を維持し、安心安全な出産環境を守り、国民に資するよう、あらゆる可能性を排除せずに議論しなければなりません。
また、さまざまな課題に一つ一つ丁寧に議論を進めていかなければと考えております。
加えて、かかりつけ医機能の議論がございますが、患者が自ら医療機関を選ぶことができるフリーアクセスをなくすことは決してあってはならないと考えております。
更に、少産化や物価高騰による医療機関経営の逼迫(ひっぱく)、医療DXの推進など抱える問題にも立ち向かわなければなりません。
松本吉郎会長が常々述べられていますように、わが国のより良い医療を実現するためにも、現場の先生方のご意見をお聞きして、地方の真の声を日本医師会がしっかりと受け止め、施策に反映することが肝要であります。そのためにも、最重要課題である本会の組織強化に尽力いたす所存です。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
笹本 洋一 常任理事
このたび、日本医師会常任理事の大役を仰せつかりました、笹本洋一でございます。
北海道医師会で10年間、常任理事として地域医療、医療政策を中心に医師会活動に携わって参りました。
少子高齢化がますます加速する中、都市部と地方の医療を取り巻く環境には著しい格差があり、おのおのの地域特有の医療事情に即した課題に取り組む必要性を実感しております。
これからの1年間で、診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬のトリプル改定、医師の働き方改革の時間外労働規制、かかりつけ医機能報告、コロナ後の医療提供体制、新興再興感染症を踏まえた次期医療計画、地域医療構想など、今後の医療体制に影響を与える課題を一つ一つ丁寧に解決しなければなりません。
そのためには、国民からの信頼を背に受け、医療関係者が団結してさまざまな角度から関与することが必要であり、日本医師会が今後も日本の医療政策に強い影響力を持ち、更に大きな存在感を示し続けるためにも、多くの医師の協力が重要です。
その実現のためには、まず何よりも日本医師会の組織強化のため、主担当の釜萢敏常任理事の下、会員数の拡大に全力で取り組むことが最大のテーマと認識しております。
また、副担当として、地域医療、有床診療所、外国人医療、産業保健を担当させて頂くことになりました。主担当の江澤和彦常任理事、神村裕子常任理事、黒瀨巌常任理事、副担当の諸先生と共に誠心誠意、会務に当たる所存です。
コロナ禍で疲弊した医療提供体制に活力を取り戻し、皆様と共に国民の健康を守り、安全・安心を届ける医師会を実現すべく、最大限の努力を致します。
皆様のご指導、ご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げる次第でございます。
佐原 博之 常任理事
このたび、日本医師会の常任理事を拝命しました佐原博之でございます。
私は、石川県の能登半島の中ほどにある七尾市においてクリニックと特養、ケアハウス、デイケアなどの運営に携わっています。
石川県医師会では13年理事を務め、総務と地域医療、地域包括ケア、地域医療連携ネットワークなどの担当をしておりました。
日本医師会ではこれまで、「医師会将来ビジョン委員会」の委員長を3期務めさせて頂き、その他、医師の団体の在り方に関する検討委員会、医師会組織強化検討委員会や、昨年度設置された「医療政策会議かかりつけ医ワーキンググループ」にも参加させて頂きました。
そして、「医療IT委員会」は3期目になりますが、今期は委員長を拝命しており、松本吉郎会長から頂いた「医療DXを適切に推進するための医師会の役割」という諮問について議論を重ねているところです。
限られた医療資源を有効に使い、地域における面としての「かかりつけ医機能」を発揮するためには、ICTによる診療情報の共有が効果的だと考えます。しかし、医療現場にはICTに不慣れな方も多く、導入コストやランニングコストの負担、サイバーセキュリティ対策などで不安を抱える方もいらっしゃいます。国が進める医療DXに期待をしていますが、それが適切に進められるよう関わっていきたいと思います。
また、医療を取り巻く課題は山積していますが、一つ一つ解決していくためには日本医師会、都道府県医師会、郡市区等医師会が組織としての力を発揮する必要があります。そのためにも、その基盤である組織の強化が極めて重要だと思っています。
常任理事への就任に当たり、組織強化、医療政策、情報、電子認証センター、産業保健の副担当を拝命いたしました。石川県医師会や日本医師会の委員会での経験を生かして、国民の生命と健康を守るために、微力ではございますが精一杯力を尽くしたいと存じます。
今後とも、ご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。