猪口雄二副会長は7月27日の定例記者会見で、今般の水道光熱費、食材料費等の物価高騰が、医療機関や介護事業所等の経営に甚大な影響を及ぼしていることを受けて、物価高騰への支援に関する要望を行ったことを報告した。
同副会長は、まず、本年4月に、令和3年度予算で措置された新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の一部が令和4年度に繰り越される旨が内閣府より示され、厚生労働省医政局より発出された事務連絡では、コロナの影響を受けている医療機関において、食事の提供に影響する場合や光熱水費の高騰が生じている場合等においても、地方公共団体の判断により、臨時交付金の活用を検討することも考えられる旨が示されているとした。
一方、現在の臨時交付金については、他産業で既に使途が定められたものが多いため、医療・介護に関する事業への適用にはなかなか至らないと説明。医療機関・介護事業所等は、国が定める公定価格により経営するものであり、患者・利用者等の経済状況を考慮すると、物価高騰の影響を価格に転嫁することはできず、経営努力のみで対応することが困難な状況であると指摘。
これを踏まえて、患者・利用者等に安心・安全で質の高いサービスを提供できるよう、医療機関・介護事業所等への早期かつ確実な支援を求めるため、1.医療機関・介護事業所等に対する、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金による支援の確実な実施2.新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を積み増しし、この支援にかかる財源の確保―の2点を要望するとともに、東京都病院協会が取りまとめた「エネルギー価格高騰に伴う電気代・ガス代値上がりに関する調査結果報告」、四病院団体協議会が実施している「光熱費の値上がり状況の調査 集計結果(暫定版)」も併せて提出したことを報告した。
また、東京都の全病床に換算すると、電気代とガス代の年間負担の増加額の合算は約176億7,100万円になるという東京都病院協会の調査結果 と、5月の電気料金は対前年比で131%に増加しているという四病院団体協議会の調査(現在実施中)の暫定値についても言及。この結果からも医療機関・介護事業所等は厳しい環境下での経営を強いられていることは明白だとして、物価高騰への支援の拡充が図られるよう、引き続き関係各所に必要な支援を求めていくとした。
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