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令和3年(2021年)4月8日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース

新型コロナウイルス感染症に関する最近の動向について

 中川俊男会長は4月7日の定例記者会見で、初めての緊急事態宣言から1年が経過したことを踏まえ、慣れと変異株の台頭により最大の危機を迎えているとして、緊張感を取り戻すよう警鐘を鳴らした。

 中川会長は、現在の全国的な感染再拡大の状況について、「第4波というより、第3波のリバウンドと言えるかも知れない」との見方を示した上で、国民が新型コロナウイルス感染症に慣れつつあり、自粛という我慢の限界にあることや、感染力が強い変異株が主体になりつつあることから、「これまでで最大の危機にある。最初の緊急事態宣言時のように、国民の中に危機感、緊張感を呼び戻さなければならない」と危惧した。

 また、4月5日に宮城、大阪、兵庫の3府県に「まん延防止等重点措置」が適用されたことに触れ、「東京都からは今のところ、まん延防止等重点措置の要請はないが、直近1週間の新規患者数の移動平均は上昇傾向にあり、予断を許さない」と強調。現在は、次の緊急事態宣言が発令されるかどうかというギリギリの段階であるとして、「そのような事態を避けるべく、医療提供体制の確保については機能分化、連携を確認しつつ面として体制強化を進め、国民の皆さんには引き続き感染防止対策の徹底をお願したい」と要請した。

 ワクチンに関しては、医療従事者の接種が2月17日から始まっているものの、4月6日時点で1回目の接種が終わったのは約2割に過ぎないとして、この日(4月7日)、改めて河野太郎新型コロナウイルスワクチン接種担当大臣に、医師を始めとする医療従事者は優先接種が可能である旨を確認したことを報告。ワクチンの供給量が十分確保されていることも確認したとし、「来週の高齢者接種の予約が取れずに不安に思われる方もおられると思うが、来週以降、相当量のワクチンが配送される予定で、日本医師会としても8月末を目途に終了できるように現場と調整していく」とした。

 記者との質疑応答において、緊急事態宣言への見解を問われたのに対し、中川会長は、「1回目は適切なタイミングで、国民の中で緊張感と危機感が共有でき、高く評価したい。2回目は決して早かったとは言えないが、一定の効果はあった」と講評。2回目の緊急事態宣言の解除と同時に、まん延防止等重点措置を徹底すべきであったとの主張が反映されなかったことに遺憾の意を示すとともに、現在の感染再拡大が続けば3回目の緊急事態宣言も視野に入るとして、新型コロナウイルスとの闘いに更に尽力していくと述べた。

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