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令和2年(2020年)6月11日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース

母子保健検討委員会答申「次世代を見据えた母子保健の充実強化に向けて(妊産婦健診の在り方、乳幼児健診の標準化等)」について

 平川俊夫常任理事は、6月10日の定例記者会見で、母子保健検討委員会が、横倉義武会長からの諮問「次世代を見据えた母子保健の充実強化に向けて(妊産婦健診の在り方、乳幼児健診の標準化等)」について答申を取りまとめ、6月3日に五十嵐隆委員長(国立成育医療研究センター理事長)から横倉会長に提出したとして、その概要を説明した。

 本答申は、産婦人科医と小児科医の視点から取りまとめ、主に「妊産婦への総合的健康支援」と「切れ目のない子どもと家族の健康支援」を柱として構成されている。

 「妊産婦への総合的健康支援に向けて」では、成育基本法を踏まえ、妊娠前から妊娠中および出産前後に向けての支援を切れ目なく行っていくために、より充実した制度を確実に整備していくことを提案。Biopsychosocial(身体的・心理的・社会的)視点から見る妊娠・出産・子育てへの支援が必要であるとして、妊産婦のメンタルヘルスへの対応と、早期からの妊娠前教育等についても触れられている他、「妊産婦への支援の一層の向上を目指して」として、「若者の貧困と児童虐待」「ハイリスク妊婦への対応としての妊産婦健診の活用」「妊産婦医療費助成制度」等について言及している。

 「切れ目のない子どもと家族の健康支援に向けて」では、乳幼児健診の現状と課題として、Biopsychosocialの視点に立ち、子どもの発達段階に応じた健診の重要性を訴えている。

 また、わが国では、乳幼児健康診査(以下、健診)の回数が少ない現状から、きめ細やかな健診が必要であることを指摘し、育児不安の解消及び児童虐待の予防の観点からも公的な乳幼児期の健診回数の増加を求めている。

 更に、「乳幼児健診の一層の向上を目指して」として、健診回数や健診内容に触れるとともに、小児科医の減少による健診の地域格差への対策として、研修医や小児科以外の医師等が健診を行えるような研修制度の確立についても記している。

 「終わりに」では、成育基本法で定められた「成育医療等協議会」に関して、妊産婦や子どものために本法律が効果的に運用されることを求めている。

 最後に同常任理事は、今後について「日医として本答申を基に国の成育医療等協議会等の場で提言していく」とするとともに、都道府県医師会や関係団体、行政等とも共同の上、母子保健の一層の充実に向けて尽力していく意向を示した。

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