横倉義武会長は6月23日の定例代議員会終了後、中川俊男・今村聡・松原謙二の3副会長と共に記者会見に臨み、4期目に当たっての考えなどを説明した。
横倉会長は、まず、前期までの6年間を振り返り、「国民の安全な医療に資する政策か」「公的医療保険による国民皆保険は堅持できる政策か」という二つの判断基準の下、政府等から示されるさまざまな提案に対して、是々非々で対応するとともに、「国民と共に歩む医療の専門家集団」として、常に高い見識をもって変革に取り組んできたと説明。
4期目に当たっては、「医師の働き方改革」「控除対象外消費税の問題」「超高齢社会への対応」「急速に進展するゲノム医療やICTなどの新技術への対応」など、山積する課題に対応していくため、"かかりつけ医"を中心とした「まちづくり」、医療政策をリードし続ける「組織づくり」、そして、人材育成の視点に立った「人づくり」を基本方針に掲げたことを報告。その基本方針を実現するため、Action(積極的な行動)、Balance(全ての取り組みに偏りのない政策)、Challenge(新たな取り組みにも挑戦)という三つの基本姿勢で臨むことにより、医療再興に向けた新たな一歩を踏み出したいとした。
また、今後の会務運営については、「これまで培ってきた経験を基に、医師会活動の源泉である会員一人ひとりの活動と声を丁寧にくみ取りながら、世界中の人々の幸福に寄与していくという大きな考えに立ち、国民皆保険とかかりつけ医を中心とする医療提供体制が一体となった、わが国の保健医療システムをより高次なものへと高めていきたい」と述べた。
続いて、3副会長が、今後の抱負をそれぞれ語った。
中川副会長は、「激しい選挙戦であったが選挙が終わればノーサイドだ。これまで以上に横倉会長を支え、真に強い執行部にしていきたい」と述べるとともに、医療提供体制や医療保険制度はもちろんのこと、自身の会務の幅を広げていきたいとの考えを示した。
今村副会長は、医療を取り巻くさまざまな課題にしっかりと対応していきたいとするとともに、特に、医師の働き方改革の問題に取り組む他、中医協委員として、引き続き医療機関の経営が成り立つよう努めていきたいとした。
松原副会長は、代議員の約6割の支持を得られたことに感謝の意を示した上で、「これからも会内が一致団結して横倉会長を支えていきたい」と述べた。
記者との質疑応答の中で安倍政権との関わり方を問われた横倉会長は、「これまでどおり是々非々で対応していきたい」と回答。また、政府の審議会から社会保障費の抑制策が次々と出されることに関しては、「医療は何のためにあるのかということを広く国民に訴えるとともに、生まれてから終末期を迎えるまでさまざまな医療の関わりがある中で、そこには当然、必要な医療費が掛かるということについて理解を求め、対応していきたい」と述べた。