平成29年度都道府県医師会事務局長連絡会が2月23日、日医会館小講堂で開催された。
今村定臣常任理事の司会で開会。冒頭、あいさつした横倉義武会長は、平成29年度に退職または退職を予定している都道府県医師会の事務局長に対し労いの言葉を掛けるとともに、現在検討が進められている「働き方改革」に言及。今般、労働災害認定、労働基準監督署の是正勧告に関する報道がなされていることに触れた上で、「医師会事務局においても『働き方改革』の意義を正しく理解する中で、関係法令の順守を徹底していくことが必要である」と強調した。
また、出席者に対し、「医師会業務は、それを支える医師会事務局職員の助力なくして立ち行かない」と述べ、より良い職場環境づくりに向けた一層の取り組みを要望した。
続いて、平成29年度に退職または退職を予定している、岡本正和(千葉県)、髙橋德男(神奈川県)、藤原励(石川県)、長屋庸二(愛知県)、来女木宏志(大阪府)、三木荘吉(和歌山県)、加藤忠(愛媛県)各医師会事務局長に対して、横倉会長から感謝状と記念品が贈呈され、髙橋氏から謝辞が述べられた。
働き方改革についての講演を実施
その後、「働き方改革について~医療・福祉業での産業保健活動を含めて」と題し、日医の産業保健委員会等の委員でもある、吉川徹労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所統括研究員が講演を行った。
講演の内容は主に、(1)働き方改革をめぐる最近の動向、(2)日医における勤務医の健康支援の取り組み―についてであった。
(1)では、「働き方改革実行計画」や「働き方改革推進法案要綱」の内容について説明した上で、厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」の動向、平成30年度診療報酬改定における関連部分、勤務環境改善支援の取り組み例等を解説した。
(2)では、日医会内の「勤務医の健康支援に関する検討委員会」等の取り組みや開発されたツールを紹介した他、演習として「都道府県医師会の職員の労務管理チェック」を行い、併せて参加者同士の意見交換も行った。
吉川氏は講演のまとめとして、①働き方改革は、これまで取り組みが難しかった労働時間管理や職場環境改善を進めるチャンス②職員の健康確保と、働きやすさ支援のためには、トップによる方針表明と組織的な取り組みがスターティングポイント③勤務医の健康支援では、本丸(時間と報酬)以外の部分にも多くの可能性がある④医師会がこれまで作成した勤務医の健康支援に関する各種ツールは、医師会職員にも活用可能―の四つのポイントを挙げ、各都道府県医師会での検討を求めた。
最後に、今村常任理事が、本年10月に日医医師年金が設立50周年を迎えることから、平成31年度には年間新規加入者1000人を目指し、その後も1000人が見込まれる仕組みづくりを目的とした「医師年金 50周年記念普及計画」について説明。各都道府県医師会にも協力を要請した。