大谷良光ネット健康問題啓発者養成全国連絡協議会共同代表(元弘前大学教育学部教授)は1月24日の定例記者会見で、日医・日本小児科医会等の医療関係者、ネットアドバイザー団体・ネット問題啓発者、教育学・社会学等の研究者の三者が連携し、子どものネット・スマホ利用の早期化・長時間接触による脳・視聴覚の発達阻害・健康被害・ネット依存の初歩レベルについて講演できるネットアドバイザーを養成するため、「ネット健康問題啓発者養成全国連絡協議会(以下、養成協議会)」を昨年12月20日に設立したことを明らかにし、その概要について説明を行った。
大谷共同代表は、まず、 (1)スマホの急速な普及により、幼児・児童・生徒(以下、子ども)利用の早期化・長時間接触が際立ってきており、脳・視聴覚の発達阻害・睡眠障害による発達不全・ネット依存等の症状が明らかとなっているが、その国民的認識と国・自治体の対策は極めて遅れている、(2)ネット・スマホの過剰使用に対する法的規制はわが国にはないため、唯一の対策は啓発による子ども・保護者の自覚、「自分事としての認識」の促進しかなく、自己責任にするのではなく、家庭と学校での「時間管理等のルールづくり」を学校と地域が連携し展開することが求められている、(3)これらの被害の事実とその科学的根拠、対策・予防について初歩的な講演のできるネットアドバイザー等の啓発者が極めて少ない―などの現状を説明。
養成協議会は、それらの状況を打破するため、日医や日本小児科医会、医師等の医療関係者、既に活動をしているネットアドバイザー団体・個人、教育学・社会学等の研究者の三者の連携を基盤として設立したとした。
また今後については、全国に1,000人程度のネットアドバイザーを養成し、全国小・中・高校3万5千校の子どもと保護者、幼稚園等2万園の保護者へ啓発できる体制を行政・自治体、医療機関、市民団体等と連携して構築するとともに、啓発活動が推進できるよう、厚生労働省、文部科学省に、学校が講師を招へいする際の講師料への助成金を予算化するように関係団体と要請活動を行っていく考えを示した。
更に、「ネット健康被害系インストラクター講習」について、1.認定インストラクター講習、2.研修、3.認定上級インストラクター―の3つのコースとし、養成協議会の内容教材開発委員会が、「脳の発達阻害」「睡眠障害と生活リズム」「視聴神経の発達阻害」「その他の体の発達阻害」「ネット依存(社会学の視点)」という5分野を中心とした講習コースの内容・教材を制作したこと、1月13・14の両日に青森県医師会と子どものネットリスク教育研究会青森支部との共催で開催したプレ青森認定・研修講習で高い評価を受けるなど、大きな成果を上げたこと、3月3・4の両日にはプレ埼玉認定・研修講習を開催予定であること等を報告した。
最後に、大谷共同代表は、「日医始め各医師会のご支援・ご指導を頂きながら、体制を構築し、全国で啓発活動を進めていきたい」との抱負を述べた。
詳しくはホームページを参照。https://www.net-kenkou-youseikyo.com/
なお、養成協議会の筆頭顧問には道永麻里常任理事(日本学校保健会副会長)が就任している。
関連資料
問い合わせ先
ネット健康問題啓発者養成全国連絡協議会 メール(youseikyo@gmail.com)