指定学校医制度を開始
学校保健の専門医として活動し、学校保健の質の向上と自己研鑽(けんさん)に役立つ制度を目的として、「鳥取県医師会指定学校医制度」を平成27年4月にスタートさせた。本制度では、一定の研修(単位)を受けた学校医に「鳥取県医師会指定学校医」の称号を付与し、"学校医手帳"を発行して研修会や学校保健活動を記録して頂き、3年ごとの更新制としている。
社会環境の変化に伴い、学校保健活動の中心的役割を受け持つ学校医は、今までの健康診断を含む保健管理という視点から「保健教育」への関わりに視点を変えて、学校保健委員会等の保健組織の活動にも積極的に参加すべきであり、関わる必要がある。
もちろん、指定学校医でなければ学校医ができないわけではないが、専門家としての適切な助言・指導を行うためにも、全ての学校医の先生に指定学校医になって頂きたい。それを担保として、学校医活動に見合った学校医の待遇改善もできると願っている。
地域によっては医師不足の問題も絡んで難しい問題だが、学校医同士のネットワークを重視し、今後も先を見通した学校医像・制度を考えていきたい。
「事業評価のためのがん検診チェックリスト(個別検診・検診機関用)」策定に向けたパイロット調査に参画
「健康に関する諸問題の調査研究と県民健康の保持増進に寄与する」ことを目的として、鳥取県、鳥取大学医学部、鳥取県医師会の三者構成で昭和46年1月に発足した「鳥取県健康対策協議会(健対協)」が各種がん検診の精度管理を行っており、県医師会が健対協の事務局を担当している。
健康増進事業に基づくがん検診のうち、集団検診の精度管理指標として「事業評価のためのチェックリスト」が平成20年に公表され、既に自治体や検診機関が運用している。
しかし、近年増加傾向にある個別検診では、精度管理指標となるチェックリスト自体がまだ作成されておらず、精度管理が十分でない実態が明らかになってきた。
そこで国立がん研究センターでは、厚生労働省「がん検診のあり方に関する検討会」等への提案を前提に、個別検診用のチェックリスト案を新たに策定した。
この新チェックリスト案について、項目の適切性や運用上の問題点を検討するため、一部地域で実際に医療機関の回答を得るパイロット調査が実施されることとなり、健対協では大腸がん検診及び肺がん検診について調査に協力した。
この調査結果から、個別検診の精度管理指標が確立されることにより、今後、更なる検診事業の資質向上が期待される。
受託事業医療勤務環境改善支援センターを開設
医療法の改正により医療従事者の勤務環境改善による規定が新設されたことに伴い、鳥取県からの委託事業として本年4月1日、センターを開設した。
医師・看護師等医療従事者の定着促進を図り、医療の安全を確保することを目的としており、主な事業としては、勤務環境改善に取り組む医療機関をサポートするためのアドバイザーとして社会保険労務士を常時配置し、医療機関からの相談を受け付けている。
また、働きやすい職場づくりに取り組む医療機関からのニーズにより、社会保険労務士や医業経営コンサルタントなどのアドバイザーを派遣し、無料で相談に応じている。
その他、労務管理に関する研修会等を実施する際の講師派遣、勤務環境改善に関する調査や情報提供等を行うことにしている。