大学紹介
富山大学
【教育】地域から国際的医療人の育成を目指して
富山大学大学院 医学薬学研究部(医学)医療人教育室長
医学教育学 准教授 廣川 慎一郎
富山大学では「西洋医学と東洋医学の統合」と「医学と薬学の連携」を理念とし、進歩する医学の知識・技術を身につけ、医療の実践および医学の発展に取り組むことのできる人材養成を教育成果としての目標としています。
医学部での特徴ある教育カリキュラムについては、1年次に医学部薬学部の医学生、看護学生、薬学生全員対象の横断的医療学・医療人教育プログラム「医療学入門」を実施し、地域の医療福祉施設での早期臨床体験チーム実習を行い、2年次には「和漢医薬学入門」を開講し、伝統的な東洋医学に現代医学の成果を織り込む連携教育を行っています。教養科目ではいわゆるリベラルアーツ科目以外に医学教育モデルコアカリ準備教育を有機的に取り入れた医学準備教養教育を行っています。基礎医学では研究医養成プログラムコースを導入し、3年次後半には基礎医学研究実習(基礎講座配属実習)が行われています。臨床医学では統合型の問題解決型グループ授業や実践的臨床能力を重視した診療参加型臨床実習、地域病院や海外の大学での選択制臨床実習等を行い、先進的医学知識のみならず豊かな人間性を備えたコミュニティ志向型の意欲的な医療人養成を行っています。さらに、国際的な医学・医療の視野から医学英語教育を専門教育学年でも積極的に取り入れています。在学中から海外医学校での研修制度を設け、アジアや欧米の大学などと学術交流協定を結び、医学生と留学生の基礎臨床医学教育・臨床研修相互交流を行っています。
本医学部で学び「東洋の知」を身につけ、強い意志と豊かな感性を培い、地域から国際的に活躍できるこころ優しい医療人を目指しませんか?
【研究】富山大学医学部で研究医を目指そう
富山大学医学部生化学講座 教授 井ノ口 馨
富山大学医学部には、将来研究を行うことのできる医師を育てるための研究医養成プログラムがあります。研究医と聞くと、臨床研究を行っているイメージがあると思いますが、本学のプログラムでは基礎医学研究にも力を入れています。医療・医学に大きなインパクトを与えた研究には、基礎的な研究が多く含まれています。
本学では希望者を対象に2年次以降に研究医養成プログラムが始まります。今回は、私たち、生化学講座の研究内容を紹介しながら、研究医養成プログラムに参加して研究を行っている医学生の生活をのぞいてみましょう。私たちの講座では、「記憶」が脳に蓄えられる神経回路のメカニズムを研究しています。最新技術の光遺伝学をはじめ多彩な実験技術を駆使して、記憶のメカニズムに迫ろうとしています。「恐怖記憶」に焦点を当てた研究からは、トラウマ体験が引き金となって発症するPTSDなどの精神疾患の新規予防法や治療法の創出が期待されます。「世界トップレベルの基礎研究成果を出し、医学・医療にインパクトを与える」ことをモットーに研究を進めています。論文が科学誌の表紙を飾ったこともあります。
医学部の学生は講義や臨床実習などで忙しいのですが、学生はその合間を縫って研究を進めています。講義が終わった夕方以降や週末、夏休みや春休みなどに実験を行っています。小声で言いますが、朝から研究室に居座り実験を行っている学生もいます(講義はサボってる?)。研究が楽しくて仕方ないのでといったところでしょうか。皆、研究成果を論文として国際科学誌に発表することを目指しています。また、3週間に1回、夜にサンドイッチをほおばりながらネイチャーやサイエンスなどの国際科学雑誌に掲載された最新の論文紹介を行い議論します。皆、回を重ねる毎に鋭い質問を浴びせるようになってきます。皆さんも研究医を目指しませんか。
【学生生活】薬業の歴史深い富山で和漢と家庭医療を学ぶ
富山大学医学部医学科 5年 髙瀬 義祥
僕自身が入学前から持っていたイメージでもあるんですが、富山大学で特徴的なのは何と言っても和漢の授業です。4年次には和漢診療学という授業で、漢方医学の基礎である「証」(しょう)の概念や具体的な方剤について勉強し、5年次の病院実習でも和漢診療科を回って「候」(こう)の取り方などを学びます。例えば同じ脈を取る時でも、西洋医学では回数に着目しますが、漢方医学では脈の張りや強弱を見るんです。それまで習ってきた西洋医学とは全く違う切り口で患者さんを診るのでとても新鮮でした。和漢を教える先生は、漢方だけにこだわるのではなく、西洋医学の治療と上手くバランスを取りながら有効な選択肢の一つとして漢方を活用しているイメージがあります。
学外の活動としては、日本プライマリ・ケア連合学会の学生・研修医部会に所属しています。この部会の一大イベントに家庭医療学夏期セミナーというものがあるのですが、これは家庭医療に関心がある医学生約200人と医師約200人が全国から集まり、2泊3日で家庭医療に関する様々なテーマのセッションを行うイベントです。僕はこのスタッフをしていて、昨年度は各セッションの連絡係を務めました。ただ夏期セミナーに参加したくてもできない学生が毎年出て来るので、僕は学内で休止状態だった「プライマリ・ケアを学ぼう会」という勉強会を復活させました。家庭医療に大切な概念である「継続性」を楽しく学ぶために、とある家族を継続的に取り扱って、一人ひとりの抱える問題について勉強しています。最初は10人くらいの小さな会でしたが、今は30人ほどの規模になりました。医学生だけでなく他学部の学生、一般市民や医療関係者、町会議員の方などに来てもらい、一緒にロールプレイをしてもらうなど多様な視点を取り入れています。
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- No.1 2012.04
- 医師への軌跡:窪田 泰江先生
- Information:January, 2014
- 特集:チーム医療への誘い 多職種連携の現在と未来
- 特集:EPISODE #01 精神科救急
- 特集:EPISODE #02 創傷治療
- 特集:EPISODE #03 血管内治療
- 特集:EPISODE #04 在宅医療
- 特集:多職種連携の現在と未来 日本医師会副会長・今村 聡先生に聴く
- 特集:地域のリソースを知り、 連携ができる医師を育てる
- 特集:多職種連携をテーマとした学生イベント
- 医学教育の展望:地域のニーズに応じた継続的な多職種連携教育
- 同世代のリアリティー:接客業(CA) 編
- NEED TO KNOW:患者に学ぶ(潰瘍性大腸炎)
- チーム医療のパートナー:言語聴覚士
- 地域医療ルポ:三重県津市|久藤内科 久藤 眞先生
- 10年目のカルテ:救急科 相坂 和貴子医師
- 10年目のカルテ:救急科 土谷 飛鳥医師
- 10年目のカルテ:救急科 椎野 泰和医師
- 日本医師会の取り組み:医療事故調査制度の創設
- 日本医師会の取り組み:産業医の役割
- 医師の働き方を考える:「地域の世話焼きおばさん」として、子どもからお母さんまで見守る
- 大学紹介:東京医科大学
- 大学紹介:富山大学
- 大学紹介:近畿大学
- 大学紹介:産業医科大学
- 日本医科学生総合体育大会:東医体
- 日本医科学生総合体育大会:西医体
- 医学生の交流ひろば:1
- 医学生の交流ひろば:2
- 医学生の交流ひろば:3
- 医学生の交流ひろば:4
- FACE to FACE:香田 将英×小池 研太郎