

長島公之常任理事は6月10日の定例記者会見で、運動・健康スポーツ医学委員会が取りまとめた答申を説明した。
本答申は、会長諮問「ライフステージに応じた運動・スポーツの重要性の普及について」を受けて取りまとめられたもので、5月19日に津下一代委員長(日本栄養大学教授)より松本吉郎会長に手交された。
同委員会では、健康スポーツ医以外にも広く運動・スポーツの普及を図る重要性の観点から、日常診療を始め、産業医や学校医の活動に実際に役立つ資料作成に着手。委員会本体に加え、資料作成のために三つのワーキンググループを立ち上げ、多角的な視点から議論を進めた。
答申は、(1)はじめに、(2)会長諮問「ライフステージに応じた運動・スポーツの重要性の普及」を受けた検討経緯、(3)厚生労働省ならびにスポーツ庁の健康施策の動向、(4)「生活習慣病管理料療養計画書作成補助資料」作成、(5)「学校医向け資料」作成、(6)「産業医向け資料」作成、(7)まとめと提言、(8)あとがき―で構成されている。
(4)では、令和6年度診療報酬改定における生活習慣病管理料に関し、生活習慣病療養計画書作成の補助となるように同委員会で取りまとめた資料に言及。1)療養計画書作成の手引き2)文例集3)年齢・指導項目別配布資料4)運動を始めるときの留意事項5)レベル別トレーニング具体例6)アクティブガイド―を添付した形式となっている。
3)では、年齢に応じた食事指導や運動指導の詳細を紹介している他、5)では、筋力トレーニングについて、指導の一助となるように写真入りで解説している。これらは患者に直接手渡しできる形にしており、現場の負担軽減につなげている。
(5)では、子どもの運動習慣について、「全くしない子」と「過度にしすぎる子」の二極化が進んでいることから、運動習慣と年齢でマトリクスを作成し、各区分において提供したい情報や資料を整理。1日60分の身体活動目標を掲げ、座りっぱなしの弊害を分かりやすく解説するとともに、スポーツ障害を防ぐための休養の重要性を強く訴えている。
(6)では、中小企業を担当する産業医等が従業員の健康状態を考慮し、目的に応じた適切な運動を推奨しやすくなるよう、既存の資料を整理して提示。職業の特性として、「在位中心(デスクワーク)」「立ち仕事中心、軽作業だが同一動作の反復が多い仕事」「重筋労働・肉体労働」「高年齢労働者」に分類し、それぞれの身体活動の特徴や健康上のリスクをマトリクスにまとめている。
(8)では、「これまで医師の役割は主に病気を診ることであったが、今後は健康を観る医師としての役割が増えてくると思われる」との見方を示している。
答申の概要を説明した長島常任理事は、答申と資料を全国の会員の先生方に広く活用してもらう考えを示した上で、「厚労省やスポーツ庁とも緊密に連携しながら、国民の皆様がライフステージに応じて生き生きと運動を楽しみ、健康で豊かな人生を送れる社会の実現に向けてこれからも努めていく」と述べた。
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