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令和8年(2026年)5月5日(火) / 南から北から / 日医ニュース

わが家の春の味覚

 春の訪れを感じさせる代表的な旬の食材としてたけのこがあります。例年4月から5月に掛けて収穫期を迎え、各地でたけのこ掘りが行われます。スーパーや道の駅などでは掘りたてのたけのこやその水煮が並びますが、わが家ではほとんど購入したことはありません。というのは実家の竹林でたけのこが収穫できるからです。幼少期には父に引き連れられ、たけのこ掘りに行っていたのは懐かしい思い出です。
 そんな思い出があり、わが家ではたけのこ掘りは毎年の恒例行事となっていますので、今年もゴールデンウィークの休暇を利用し、子ども達を連れて実家に帰省しました。
 スコップと大きなカゴを手に、いざ竹林へ。地面を注意深く探しても、まだ顔を出していないたけのこを見付けるのは至難の業です。目印は、地面のわずかな盛り上がりです。足の裏の感覚を研ぎ澄ませ、たけのこの先端の小さな突起を探していきます。足裏で確かな感触が伝わったら、いよいよ掘り起こし作業に移ります。スコップで周りの土を慎重に掘り起こしていくと、土の中からみずみずしいたけのこが現れます。この時のワクワク感はたまりません。ものの1時間ぐらいでカゴいっぱいのたけのこが収穫できました。
 収穫した後は、すぐに下処理をすることが大切です。掘りたてのたけのこはアクが強く、そのままでは食べることはできません。竹の皮を切り落とし、米ぬかと一緒にゆでていきます。ゆで上がった後は火を止めてそのまま冷めるまで待ちます。そうすることでアクがしっかり抜けて、えぐみのない、たけのこ本来の味わいが引き出せます。
 下処理を終えたたけのこは水に浸して冷蔵庫で保存すれば、1週間ほど楽しむことができます。下処理を終えたたけのこは様々な料理で楽しむことができます。そのシャキシャキとした食感と優しい風味は、どんな料理にもよく合います。
 滋賀の自宅に持ち帰り、早速たけのこ料理を作りました。やはり外せないのはたけのこご飯です。炊き上がったご飯には、たけのこの良い香りが広がり、食欲をそそります。また、たけのことわかめを一緒に煮た若竹煮は素朴な味ですが、この時期には外せない料理です。
 さらに、たけのこは炒め物にもよく合います。私の定番は、片栗粉をまぶした牛肉とたけのこを、オイスターソースで炒めた中華風の一品。今年もその味を楽しみました。
 このように限られた時期にしか味わえない春の味覚であるたけのこを、いろいろな料理をとおして、存分に堪能することができました。来年の春、再びこの豊かな恵みと出会える日が今から待ち遠しいです。

滋賀県 滋賀県医師会報 第927号より

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