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令和8年(2026年)5月5日(火) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

他産業に追い付く賃上げの実現を目指しベースアップ評価料の積極的な算定を

他産業に追い付く賃上げの実現を目指しベースアップ評価料の積極的な算定を

他産業に追い付く賃上げの実現を目指しベースアップ評価料の積極的な算定を

 松本吉郎会長と長島公之常任理事は4月8日の定例記者会見で、令和8年度診療報酬改定でのベースアップ評価料による賃上げについて説明した。
 松本会長は、対象職種の拡大や点数の大幅な増点などの見直しによって、より一層、職員の賃上げと人材確保に役立つものになった点を評価した上で、「ぜひとも多くの医療機関、とりわけ病院に比べると、まだ届出率が低い診療所において、積極的に算定していただきたい」と訴えた。

 松本会長は今回の診療報酬改定について、「インフレ下における今後の『道しるべ』になった」と改めて述べた上で、改定率について、本体プラス3・09%のうち、1・70%が賃上げ対応分として措置され、ベースアップ評価料の見直しが行われた経緯を説明した。
 さらに、「日本医師会としては、職員の方々に医療機関でしっかりと働いていきたいと思っていただけるように、他産業に追い付けるような賃上げの実現を目指している」と強調。一方で、ベースアップ評価料の届出や報告に対して、小さなクリニックなどは様々な事情でハードルを感じているとの意見がある点にも言及。この点を踏まえ、ベースアップ評価料の見直しの概要や届出、報告のポイントを会見で説明するに至ったとした。
 具体的な見直しのポイントなどを説明した長島常任理事はまず、ベースアップ評価料の届出状況について、無床診療所は41・1%(令和7年12月時点)から59・2%(令和8年3月時点)、有床診療所は51・8%(同)から70・0%(同)と、それぞれ20%程度増加していると説明。「病院はもとより高い水準にあり、90・4%(同)から93・9%(同)に微増しているが、無床・有床診療所の届出率についてはこの水準を更に上げていただきたい」と訴えた。
 見直しの特徴としては、(1)対象職種の拡大、(2)大幅な増点、(3)令和8、9年度の段階的評価の引き上げ、(4)継続的賃上げ実施医療機関とそれ以外で異なる評価―があるとし、(1)(2)を踏まえ、「ぜひ、届出・算定をし、職員の賃上げと人材確保に活用いただきたいと強く願っている」と述べた。
 (1)では、現行では「主として医療に従事する職員」となっているが、見直しにより「当該保険医療機関に勤務する職員」に変更され、薬剤師や看護師、看護補助者等に加え、40歳未満の医師や歯科医師、薬局薬剤師、事務職員等まで対象が拡大されるとした。
 (2)(3)(4)に関しては、外来・在宅ベースアップ評価料(I)を事例に解説。令和8年度からベースアップ評価料を届け出て賃上げを行う医療機関の場合、令和8年度は初診17点、再診4点が算定でき、令和9年度はその倍の初診34点、再診8点を算定できるとし、「初診は令和6年度改定時の点数(6点)と比べて、令和9年度は約6倍の増点となる」などと説明した。
 また、令和7年度以前から継続して賃上げを行っている医療機関の場合には、令和6年度改定のベースアップ評価料相当分が更に上乗せされることから、令和8年度は初診23点、再診6点が算定でき、令和9年度は初診40点、再診10点を算定できるとし、「初診は令和6年度改定時の点数(6点)と比べて、令和9年度は約7倍の大幅な増点となる」などと強調した。
 継続的に賃上げを実施する保険医療機関としては、令和8年3月までにベースアップ評価料を算定している保険医療機関の他、これまでベースアップ評価料を算定しておらず、令和8年度に初めてベースアップ評価料の届出を行う保険医療機関であっても、令和6年3月時点と比較して、5・5%(看護補助者、事務職員は8%)に相当する水準以上の賃上げ等を行った保険医療機関が挙げられるとした。

賃金改善計画書の作成は不要に

 届出については、ベースアップ評価料を6月から算定する場合、5月中に全ての医療機関が届出を行わなければならないとし、「令和6年度改定のベースアップ評価料を届け出ている医療機関も5月中に改めて届出を行う必要がある」と注意を促した。この他、これまで届出時に必要だった賃金改善計画書の作成は不要となることにも触れた。
 さらに、届出を行う際の負担は「ほとんど無くなった」と強調。届出の際に計算が必要となるのは対象職員の人数のみだとした上で、「常勤の職員だけの場合はその人数を記入するだけで良いが、パートの職員がいる場合、その人数を勤務時間で常勤換算する必要があり、ゼロより大きい数字であれば良い」と述べた。
 令和8年8月の実績報告では、令和8年3月以前から継続して算定している医療機関は「令和7年度の賃金改善実績報告書」「令和8年6月以降の賃金改善中間報告書」が、令和8年6月から初めて算定する医療機関は「令和8年6月以降の賃金改善中間報告書」のみの提出が、それぞれ必要になると説明。その内容は、おおむね「ベースアップ評価料による収入の実績額」「令和8年5月と比較したベースアップの実績(対象職員全体及び職種別)」であるとし、「少し手間が掛かるが、それぞれ総額の入力であるため、それほど大きな負担にはならない」と指摘した。

賃上げ目標に届かなくてもベースアップ評価料の算定は可能

 賃上げの目標として、ベースアップ評価料は令和8年度に3・2%(看護補助者・事務職員は5・7%)の賃上げを、令和9年度には令和8年度の2倍の賃上げを目指すとされている点については、「これらについてはあくまで政府目標であり、ベースアップ評価料の算定要件は評価料として入ってきた収入を全額賃上げに使うことにあり、賃上げ目標の数値に届かなくてもベースアップ評価料は算定できる」と強調した。
 その上で、長島常任理事は今後について、更に詳しく分かりやすい資料を会員に対して提供する方針を示した上で、「ベースアップ評価料を活用して、職員の皆様の処遇改善を行い、他産業への人材流出を止めていただきたい」と訴えた。

外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)の届出のご検討をお願いします!!

―現在既に算定中の医療機関も新たな届出が必要です―

260505a2.jpg ≪主な変更点≫
?対象職種が拡大
?点数が大幅に増点
?届出時に必要だった「賃金改善計画書」の作成は不要に
?届出の際に計算が必要となるのは対象職員の人数のみ
?賃上げ目標の数値に届かなくても算定可能

※本年6月から改定後のベースアップ評価料を算定するためには、新たに算定する医療機関だけでなく、現在既に算定中の医療機関も5月7日(木)から6月1日(月)までに届出(必着)が必要になります。

 詳細は日本医師会ホームページのメンバーズルームの「医療保険」の中の「診療報酬改定に関する情報<令和8年度>」並びに厚生労働省ホームページ「令和8年度診療報酬改定におけるベースアップ評価料等について」をご覧ください。

日本医師会ホームページ
https://www.med.or.jp/japanese/members/iryo/r08kaitei/index.html#baseup
※日本医師会ホームページ内のメンバーズルームに掲載しているため、日本医師会会員用アカウント(ユーザー名、パスワード)が必要となります。

厚労省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00053.html

◆会見動画はこちらから(公益社団法人 日本医師会公式YouTubeチャンネル)

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