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令和8年(2026年)1月20日(火) / 日医ニュース

日本医師会医師賠償責任保険制度の更なる充実・発展を目指して

日本医師会医師賠償責任保険制度の更なる充実・発展を目指して

日本医師会医師賠償責任保険制度の更なる充実・発展を目指して

 令和7年度都道府県医師会医事紛争担当理事連絡協議会が昨年12月4日、日本医師会館小講堂とWEB会議のハイブリッド形式で開催された。
 担当の濵口欣也常任理事の司会で開会。開会に当たりあいさつを行った松本吉郎会長(代読:茂松茂人副会長)は、医療の複雑化・高度化に伴い、医事紛争の事案についても有無責の判断や解決方法が複雑化し、その解決に向けて従来以上の労力を費やしていること、また、患者側の権利意識の向上や価値観の多様化などにより、SNSによる誹謗(ひぼう)中傷や暴力行為による被害等も生じ、医療現場はより難しい環境に置かれていることなどを指摘し、懸念を表明。「本制度を更に円滑に機能させ、安心して医療に専念できる環境を整えることがより求められている」と強調するとともに、本制度の充実は組織強化、会員増強にもつながる重要な取り組みであることから、今後もその対策や支援にしっかり取り組んでいく考えを示した。
 引き続き事務局より、日本医師会医師賠償責任保険の運営に関する経過報告として、令和6年度新規付託・解決事案の状況や令和7年度特約保険の状況について説明を行った。
 その後議事に移り、(1)広島県医師会での取り組み事例、(2)採血時の神経損傷―についてそれぞれ講演が行われた。
 (1)では、石川暢恒広島県医師会常任理事が、①医事紛争対応②市郡地区医師会医療安全研修会補助制度③会員への適切な保険勧奨④警察との連携強化⑤広報戦略の強化―の五つの取り組みについて説明。①では医事紛争委員会の中に三つの審議会を設置したことなどを、②では医療安全研修会の項目と講師リストの作成・提供や補助金の支給等を実施していることを、③では全会員、全医療機関に対して、保険加入状況の案内を送付している他、雇用トラブル対応保険やサイバー保険等の多様な保険を整備していることを、それぞれ報告するとともに、⑤においては、医事紛争対応の流れを紹介するチラシや採血マニュアル等を制作したことを紹介した。
 (2)では、三上容司横浜労災病院長が、採血時の神経損傷の無責事例と有責事例を取り上げ、神経損傷の予防策や損傷時の対応方針等について、①採血は適切な部位から適切な手順で行う②正しい手順で採血しても、神経損傷を完全に予防することはできない③患者が異常を訴えたら採血は中止する④1週間以上、異常が続く場合には専門医を紹介する―などの留意点を挙げながら解説。「神経損傷か否か、皮神経の損傷か正中神経の損傷かの診断が重要になる」として、注意を呼び掛けた。
 続いて、事務局からの連絡事項として、MAMISやファイル共有サーバ導入・活用について説明を行った。
 引き続き、秋田、茨城、富山、静岡、滋賀、兵庫、広島、大分、鹿児島の各県医師会から事前に寄せられた質問・要望(全県の医事紛争・医賠責保険等に関する資料の閲覧、医療事故調査報告書の取り扱い等)に対し、濵口常任理事から回答を行った。
 最後に、今村英仁常任理事が「日本医師会医師賠償責任保険制度をより多くの先生方に知ってもらうことで組織力強化が実現できると考えている。日本医師会としても、各医師会との情報共有や連携を更に強化し、制度の充実や発展につなげていきたい」と閉会のあいさつを行い、協議会は終了となった。

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