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令和7年(2025年)9月20日(土) / 日医ニュース

中間報告書として「JMAT要綱」の改定案をまとめる

左から細川常任理事、松本会長、山口委員長左から細川常任理事、松本会長、山口委員長

左から細川常任理事、松本会長、山口委員長左から細川常任理事、松本会長、山口委員長

 救急災害医療対策委員会(委員長:山口芳裕杏林大学医学部主任教授・高度救命救急センター長)はこのほど、中間報告書を取りまとめ、8月26日に山口委員長から松本吉郎会長に提出した。
 昨年12月26日に開催された第1回委員会で、松本会長から「直近の情勢を踏まえた医師会の救急災害医療対策について」という諮問がなされた際に、「速やかにJMATの組織的な対応の整備、特に統括機能の充実を行って欲しい」との要請があったことを踏まえ、同委員会では「『JMATのあり方』ワーキンググループ」(以下、WG)を設置。今回の中間報告書は、WGで集中した審議が行われた結果、取りまとめられたもので、「JMAT要綱(2025年改定案)」が示されている。
 「Ⅰ.基本理念」では、現行のJMAT要綱では基本理念に当たる部分に運用などの細かい内容も含まれていたため、「最終的な目標は、被災地に地域医療や地域包括ケアシステムを取り戻すことにある」「JMATは被災者の生命及び健康を守り、被災地の公衆衛生を回復し、災害関連死ゼロを目指し、被災地の地域医療や地域包括ケアシステムの再生・復興を支援することを目的とする」など、4項目に整理している。
 「Ⅱ.基本方針」では、「1.プロフェッショナル・オートノミーに基づく参加」「2.医師会の災害医療対応、被災地の都道府県医師会と全国の都道府県医師会の『協働』としてのJMAT活動」「3.被災地のコーディネート機能とJMATの指揮系統に基づく行動」「4.医師会ブロックを単位とした連携」「5.自己完結による派遣」「6.被災地の都道府県医師会からの要請に基づく派遣とその例外」「7.郡市区等医師会等の役割とその支援」「8.災害収束後の被災地の医療機関への円滑な引き継ぎと撤収」「9.長期支援が必要な地域への配慮」の項目ごとに、その内容を説明している。
 また、「Ⅲ.組織と用語の定義」では、「日本医師会内にJMAT事務局を設け、平時からJMAT活動にかかる業務を専門に行う」「県庁などにつくられる本部を統括する『本部統括JMAT』や、地域につくられる本部で統括を行う『統括JMAT』をしっかりと確保して、登録しておく」「統括を行う者については、DMAT・日本赤十字社との連携も可能なように、しっかりと研修を行った者を登録する」「今後のJMATでは、ロジスティクス部分の強化も必要であり、本部機能を支えるチームとして『JMATコーディネーションチーム』を位置付ける」ことなどを「JMAT要綱」に明記するよう提案している。
 日本医師会では今後、中間報告書について一定の周知期間を設けた上で、本要綱案に沿って「JMAT要綱」を改正し、順次、JMATの仕組みづくりを行っていくことにしている。

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