医学生で埋められた大講堂
医学生で埋められた大講堂
映画「フロントライン」の特別試写会が4月25日、約700名の応募者の中から抽選で選ばれた約350名の医学生の参加の下、日本医師会館大講堂で開催された。
本映画は小栗旬、松坂桃李、池松壮亮、窪塚洋介各氏がメインキャストを務め、日本で初めて新型コロナウイルス感染症の集団感染が発生した大型クルーズ船で、乗客らの命を救うために懸命に取り組んだ医師や看護師らの姿を描いた作品となっている(6月13日から全国公開される予定)。
今回の特別試写会は日本医師会が本映画の後援をしていることから、全国公開に先駆けて開催することになったものである。
当日は黒瀬巌常任理事の司会で開会。冒頭あいさつした松本吉郎会長は、日本医師会について(1)「開業医の団体」と思われがちであるが、会員に占める割合は勤務医の方が高い、(2)国民の皆さんの生命と健康を守るため、各地域において学校医や産業医、休日夜間診療などに従事している医師の支援の他、医療現場の声を政府に届けるなど、さまざまな活動を行っている―ことなどを紹介。「今回の試写会をきっかけとして、少しでも医師会に興味を持ってもらえればありがたい」と述べるとともに、近い将来、参加した医学生と一緒に地域医療に取り組むことができるよう期待を寄せた。
引き続きあいさつした釜萢敏副会長は、大型クルーズ船で集団感染が起きた当時の模様を振り返り、どんなウイルスなのかも分からない中で、船内の乗客らの生命を守るため、懸命に取り組んだ医療従事者達の対応に改めて感謝の意を表明。また、日本医師会の役割についても「国民の生命と健康を守るばかりでなく、医師の活動をしっかりと支えていくことも大きな役割となっている」とし、「そのことをぜひ、覚えて帰って欲しい」と述べた。
その後に映画の上映が行われたが、参加した医学生は皆真剣な表情で映画に見入り、鑑賞後には多くの医学生から、「報道でしか分からなかった当時の苦労が改めてよく分かった」「医療関係者だけでなく、ぜひ、国民の方々にも見て欲しい」といった声が寄せられた。
特別試写会を終えて黒瀬常任理事は、「医学生を対象としたイベントは初の試みであったが、皆さんに大変喜んで帰って頂くことができた。こういったイベントは組織強化にもつながる事業であると考えており、今後も医学生向けの広報の企画を検討していきたい」との考えを示している。