第32回日本医学会総会第2回記者発表会が2月21日、WEBで開催された。
本総会は、「医学のレジリエンス～みらいへの挑戦と貢献～」をテーマとして、大阪の中之島エリアで2027年4月23～25日に学術講演会（学術展示は同月22日から）を、うめきたエリアで3月20～28日に一般（市民）向け展示を行うことが予定されている。
記者発表会の冒頭、松本吉郎日本医師会長のあいさつを代読した角田徹日本医師会副会長は、本総会のメインテーマにも掲げられている「医学のレジリエンス」について言及。その意味は、医療界が大きな転換期を迎えることを余儀なくされつつある今、医療関係者のみならず、市民や行政、製薬、産業界の人々が共に理解し合い、知恵を出し合って互いに協力し、乗り越えていこうとのメッセージと受け止めているとした上で、「そのメッセージを実現するためにもぜひ、多くの皆さんに総会に参加してもらいたい」とした。
門脇孝日本医学会長は、日本医学会は総会を開催するための母体として創設されて以来、医学及び医療の水準の向上に寄与する活動を行う組織として活動を続け、現在は143の分科会が加盟していることを紹介。
今回の総会に関しては、「専門分化が進んでいる医学・医療においては、理念や課題を共有することが重要となるが、医学会総会は領域・分野を横断的にディスカッションすることができる場であり、医学・医療の発展の跳躍台となり得るものだ」として、総会開催の意義を強調するとともに、そのことが社会に浸透するための協力を求めた。
澤芳樹第32回日本医学会総会会頭は、今回の総会において、今後の社会と生き方における医学のあり方、より良い未来の選択のために多くの議論が行われることに期待感を示すとともに、危機を乗り越えるための力としての医学の「レジリエンス」を発信していきたいとした。
また、産業医に係るセッションの一層の強化のため産業保健委員会を新設したことや、山極壽一京都大学前総長、山中伸弥京都大学iPS細胞研究所名誉所長・教授、石黒浩大阪大学大学院基礎工学研究科教授、安藤忠雄東京大学特別栄誉教授の4名が、特別講演の演者として決定していること等を報告。その他、総会のポスター（2種類）がこの程完成したことを明らかとし、その活用を求めた。
