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令和6年(2024年)10月5日(土) / 「日医君」だより / 日医ニュース

令和6年医師会立助産師・看護師・准看護師学校養成所調査結果を公表

 日本医師会はこのたび、毎年実施している「医師会立助産師・看護師・准看護師学校養成所調査」の令和6年の調査結果を公表した。その主な概要は、以下のとおりとなっている。

学校数

 今年度募集を行った学校は准看護師課程127校、看護師2年課程53校、看護師3年課程74校、助産師課程4校であった。
 一方、募集を停止した学校は准看護師課程10校、看護師2年課程6校となっている。
 その他、課程変更で看護師3年課程が2校開設されている。

入学状況

 准看護師課程の応募者数をみると、平成31年度では9557人だったものが、今年度は3765人と4割の水準にまで激減した。入学者は3007人であり、非常に厳しい状況にある。
 定員充足率はいずれの課程も大きく低下し、准看護師課程では平均55・2%と近年で最も低い結果となった。90%以上の充足率を満たしているのは127校中15校のみで、ほとんどの学校で定員割れという非常に深刻な状況にある。
 また、看護師2年課程も定員充足率は平均66%であり、多くの学校で定員割れの状況となっている。

卒業後の進路

 准看護師課程では、設立母体の医師会管内の医療機関に就業した者が24・8%、それ以外の県内の医療機関に就業した者(医師会管外)が16・2%であった。准看護師課程は進学が多いが、医療機関に就業しながらの進学も含めると、66・2%が地域医療に従事している。
 看護師2年課程、3年課程も県内就業率は75%以上と高く、医師会立養成所が地域の看護職員の確保に非常に大きな役割を果たしている。

まとめ

 昨年に引き続き定員充足率は低下し、状況は一段と悪化している。特に准看護師課程や看護師2年課程では学校運営の分水嶺に立っており、このまま養成所の閉校が続けば、地域の医療・介護提供に影響を与える恐れがある。
 また、地域に密着した養成所が無くなることで、地域外あるいは県外への人材の流出につながる可能性も危惧(きぐ)される。
 更に、看護系大学と3年課程養成所の入学者の合計は5年間で2260人減少しており、全体として看護職を志す人が減っている。
 国や都道府県には、看護の魅力や生涯にわたって活躍できる職業であることを積極的にPRするとともに、看護職の処遇改善に向けた対応を引き続き求めていきたい。
 また、経済的に困窮している場合でも資格が取得できるよう、奨学金等の充実なども含め、人口減少社会における看護人材の確保に危機感をもって対応するよう今後も求めていく。

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