松本吉郎会長は新紙幣が発行された7月3日に、日本医師会館正面玄関に設置されている北里柴三郎先生のブロンズ像の前で記者会見を行い、日本医師会初代会長である北里柴三郎先生が肖像画となった新千円札紙幣の発行について所感を述べた。
松本会長はまず、千円札の肖像画が野口英世先生に続き、2代続けて医師となったことについて、「医療が社会に欠かせないものという確証であり、医師の社会に果たす責任の重さを改めて感じている」と述べ、感染症が主な死因の一つであった20世紀初頭から約100年の時が経過し、再び新型コロナウイルス感染症の脅威にさらされたことを振り返り、「北里先生は『予防医学を確立することが近代化である』という非常に強い思いを持っておられたと聞いているが、予防や健康増進が重要な役割を果たすようになってきている」と指摘。
その上で、「今後もこの北里先生の志を受け継ぎ、治療を中心とした医療のみならず、予防・健康づくりにも力点を置いた人生100年時代という健康長寿社会の実現に尽力していきたい」と述べるとともに、「千円札はお札の中でも最も流通量が多く、国民に一番親しまれているお札であることから、日本医師会としても国民に親しまれ、信頼される医師会として、国民の皆様の生命と健康を守って参ります」との意向を示した。
また、2019年4月に政府より、新千円札紙幣の肖像画に選ばれて以降、2020年6月に記念事業の一環として北里柴三郎先生のブロンズ像を設置した経緯や2023年8月に国立印刷局東京工場を訪れ、紙幣の製造工程等を視察したことなどを説明した。
更に、松本会長は、9月15日に北里先生の功績を振り返り、国民に日本医師会の果たしている役割を知って頂けるよう、新千円札発行記念「日本医師会シンポジウム~受け継がれる北里柴三郎の志(仮)」を開催する予定であるとして、マスコミに対して広報への協力を求めた。
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