

松本吉郎会長は7月22日の定例記者会見で、前日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2026」、いわゆる「骨太の方針2026」に対して、日本医師会の見解を示した。「医療給付費の対GDP比の数値目標導入」や「社会保障費(医療・年金・介護等)の対GDP比の数値目標導入」については、「日本医師会としてこれまで強く反対してきており、今後もその姿勢は変わらない」と主張した。
松本会長はまず、医療費について、来年度は診療報酬改定がない年であることに言及。令和8年度診療報酬改定の改定率のうち、賃上げ分は令和8年度と令和9年度の2年度平均でプラス1.70%(令和8年度プラス1.23%、令和9年度プラス2.18%)、物価対応分は2年度平均でプラス0.76%(同プラス0.55%、同プラス0.97%)とされたことに触れた上で、「現在は更に物価高騰、賃金上昇が進んでいる状況にあり、令和9年度予算においても更なる対応が必要だ」と訴えた。
骨太の方針の医療分野に関する記載内容については、母子保健、有床診療所、循環器病、脳卒中・心臓病など、原案の段階から加筆され、特出しされた部分もあったとし、こうした部分における政策をしっかりと進めていく必要性を示した。
骨太の方針で示された「社会保障負担率」については、医療・介護・年金等の保険料負担等の「社会保障負担の額」を、雇用者報酬、企業所得、財産所得を足した「国民所得の額」で割った数値であるとし、「この社会保障負担率の計算式には公費負担はほとんど含まれていない。税収が上振れている中、公費負担、すなわち税をしっかりと医療に投入することが必要だ」と強調した。
GDPに関しては、改めて対GDP比による数値目標の導入に反対の姿勢を示した上で、「近年の伸び率は物価高騰、賃上げにより医療費の伸び率を上回っている状況にあり、むしろ足元の医療費を引き上げることが読み取れる内容になっている」との認識を示した。
松本会長はまた高齢者の医療費窓口負担にも触れ、「70歳以上の高齢者の医療費窓口負担『原則3割』、外来特例の廃止」について容認できない姿勢を示した上で、まず、(1)高齢者は複数の疾患を抱えている人や低所得の人も多くいる、(2)後期高齢者の窓口負担割合は、383万円以上の現役並み所得の3割負担の人が7%、2割負担の人が20%、年収約200万円以下の1割負担の人が73%(2020年7月時点)であるー点を説明。
その上で、「応能負担の観点は必要だが、自助、共助、公助のバランスを取りながら、物価高騰等により税収が伸びる中、低所得者等に配慮しつつ、少しずつ段階を経る必要がある」と指摘するとともに、高齢者の医療費水準や受診状況、家計の状況、さらには高齢の親をもつ家族の経済的負担などを勘案しつつ、丁寧な議論を進めていく重要性を強調した。
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