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令和8年(2026年)7月22日(水) / 「日医君」だより / プレスリリース

2027(令和9)年度予算要求要望について

 松本吉郎会長は7月22日の定例記者会見で、前日に開催された第12回常任理事会において機関決定した、「2027(令和9)年度予算要求要望」の内容について説明した。

 今回の概算要求は、昨年度と同様に重要な課題である、(1)地域医療、(2)医療DX、(3)医薬品の安定供給―の3項目、加えて事項要求として、「妊娠、出産費用のための予算確保」「医療機関が賃金・物価高騰に対応するための予算確保」の2項目を求めるものとなっている。

 松本会長は(1)について、1)超高齢社会による地域の過疎化の進展や救急等の医療需要の変化に対応するとともに、少子化が急加速する中、特に小児医療・周産期医療体制の強力な方策を展開していく必要がある2)医師偏在対策や看護職員確保等、喫緊の課題となっている地域医療や地域包括ケアシステムを担う人材の養成・確保対策を講じなければならない3)大規模災害や新興感染症パンデミック等の有事に対応できる強靭さ(レジリエンス)をもった医療提供体制を構築する―ことなどの重要性を指摘。そのため、今回の要望では、建物の老朽化対策や高額投資への支援等とともに、地域医療介護総合確保基金の拡充や柔軟な運用等による有効活用など、4点の新たな予算措置及び現行予算の大幅な増額を求めていることを説明した。

 (2)に関しては、国が提唱する医療DXの適切な推進のためには、オンライン資格確認を基盤とする「全国医療情報プラットフォーム」の有効活用が求められるが、そのためには医療情報の標準化を行った上で、医療DXの導入を希望する全国の医療機関が、標準型電子カルテ等の医療情報システムを従来よりも低コスト、低労力で導入・維持できる環境整備が必要になると強調。

 さらに、医師が同プラットフォームを安心・安全に活用するには、適切なサイバーセキュリティ対策と、厚生労働省の施策であるHPKI(保健医療福祉分野の公開鍵基盤)の活用が必須であることから、医療DXの適切な推進のため、6点の新たな予算措置と現行予算の大幅な増額を求めているとした。

 (3)については、国は後発医薬品企業における品質問題を契機として生じた医薬品供給不安の解消に向け、安定供給能力の確保、品質管理体制の強化及び産業構造改革等の取り組みを進めてきたものの、依然として全医療用医薬品の1割以上が限定出荷または出荷停止の状態にあることに言及。「地域医療の現場では必要な医薬品が確保できず、治療の選択肢が制限され、代替薬への変更や処方調整等への対応が常態化している深刻な状況である」と、今回の予算要望の背景を説明した。

 また、事項要求の「妊娠、出産費用のための予算確保」については、「標準的な出産費用の自己負担無償化」とともに、「安全で質の高い周産期医療提供体制の確保を両立すること」を目的に、妊娠・出産に対する「支援の強化」を行うものであることを説明。赤字産科医療機関が増加し、地域医療から撤退してしまえば、出産できる環境自体が消失してしまうとし、厚生労働省の検討会の取りまとめでも妊産婦の経済的支援のみならず、産科医療機関の存続が明確化されていると強調した。

 その上で、今後は健康保険法等の改正を受け、出産の標準的な費用に係る給付体系の見直し等を行うことになるが、その際には具体的な給付水準が大変重要となることから、十分な財源を確保するよう求めているとした。

 「医療機関が賃金・物価高騰に対応するための予算確保」に関しては、まず、令和8年度診療報酬改定における賃上げ分、物価対応分の改定率に触れた上で、現在は更に物価高騰、賃金上昇が進んでいることを踏まえ、令和9年度分として更なる予算の確保を求めていると説明した。

 最後に、松本会長は「医療費のどこかを削る等して財源を捻出するという方法では、医療機関経営の改善にはつながらない」と述べ、財源を純粋に確保する、いわゆる「真水」で加算することの必要性を改めて強調した。

 今後、これらの点について厚労大臣等に要望を行う予定である。

◆会見動画はこちらから(公益社団法人 日本医師会公式YouTubeチャンネル)

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