令和4年度都道府県医師会医師会組織強化担当役職員連絡協議会が10月19日にWEB会議により開催された。
釜萢敏常任理事の司会で開会。冒頭あいさつした松本吉郎会長は、漸減傾向にある組織率を上昇に転じさせることが喫緊かつ当面の最重要課題の一つであるとした上で、来年度より日本医師会が医学部卒業後5年目まで会費減免を延長する取り組みを実施することを報告。「この取り組みは全国全ての医師会が足並みをそろえて、初めて強い実効性が担保される」と強調するとともに、来年3月に臨床研修修了を迎える会員に会員資格を継続してもらうためにも医師会の理念を伝えていく必要があるとの考えを示した。
また今後は、「医師会未加入の若手医師に会費減免期間中に入会してもらい、会費減免期間終了後も医師会会員として定着してもらうばかりでなく、地域医師会会員で日本医師会に未加入の先生方にも、いかに日本医師会に加入してもらうかという視点が重要になる」として、理解と協力を求めた。
続いて、釜萢常任理事が日本医師会への入会の基本的な考え方について説明。全ての医師が自分事として医師会活動に関心を持ち、医療制度・政策等の決定プロセスに関与する中で、医療現場が求める制度や政策等を実現していく必要があるとした上で、「医師たる者には、全て医師会活動に参画してもらいたい」とした。また、三層構造で見る医師会会員数の現状や日本医師会の組織率の推移などについても概説し、郡市区等医師会の会員のうち、日本医師会未加入者が約3万2000人に上るとして、その先生方に対する日本医師会までの加入促進に向けた働き掛けを求めた。
更に、医師会の役割については、「国民の生命と健康を守ること」「医師の医療活動を支えること」の二つを挙げ、医師会の社会や政治に対する影響力・発言力を高めることで、より良い医療を提供する環境整備ができると指摘。都道府県医師会に対しては、医学部卒後5年目までの会費減免期間の延長に加えて、(1)組織強化に取り組むための仕組みづくり、(2)三層全ての医師会への入会と、開業医が廃業後も医師会員として残ってもらうための取り組み、(3)会費減免終了後に医師会に残ってもらうための取り組み―を継続的に推進していくことを求めた。
また、本協議会後にも改めて、都道府県医師会宛に郡市区等医師会との会合の場の設置や、若手医師への医師会事業への理解促進並びに帰属意識の醸成に向けた取り組みの実施を求める通知を発出する〔日医発第1372号(総務)を協議会と同日に発出済〕ことを説明した。
その後の協議では、日本医師会から直接会員へ情報を伝達する方法の充実や、ホームページ上での分かりやすい入会方法の掲示等を求める意見等の他、医師資格証の活用に向けて医学生に無料化をアピールすることや、入会率の高い医師会の好事例を横展開することなどの提案がなされた。
最後に松本会長は、「今回頂いたご意見等を参考にしながら、組織強化に向けた全国的な取り組みを加速していきたい」と発言し、閉会となった。