第151回日本医師会定例代議員会が6月25日に、第152回日本医師会臨時代議員会が翌26日に日本医師会館大講堂でそれぞれ開催された。25日には役員選挙が行われ、会長選挙では松本吉郎氏が選挙戦を制し、第21代日本医師会長に就任することになった。 |
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松本新会長は、山口県出身の67歳。浜松医大を卒業後、昭和63年に大宮市内(当時)に皮膚科形成外科医院を開設。現在は同医院の理事長兼院長を務めている。
医師会歴としては、平成8年に大宮医師会理事に就任後、埼玉県医師会理事・常任理事、大宮医師会長などを務め、日本医師会には平成28年に執行部入りを果たし、これまで3期にわたって常任理事を務めていた。
その他、国の審議会委員としては、中央社会保険医療協議会(中医協)委員などの要職を歴任し、平成27年4月には藍綬褒章を受章している。
25日の定例代議員会では、始めに日医代議員会議長及び副議長の選定が行われ、1名のみの立候補であったため、賛成多数で議長に柵木充明氏(愛知県)、副議長に太田照男氏(栃木県)がそれぞれ選定された。
引き続き、昨年度中に逝去された会員の御霊に全員で黙祷(もくとう)を捧げた後、「令和3年度日本医師会事業報告の件」について報告が行われた。
その後は議事に移り、第1号議案「令和3年度日本医師会決算の件」については、理事者の提案理由の説明の後、新たに就任した藤原秀俊財務委員会委員長から5月6日に開催された財務委員会の審議経過並びに結果について報告があり、賛成多数で可決した。
第2号議案「日本医師会役員(会長、副会長、常任理事、理事、監事)及び裁定委員選任の件」、第3号議案「日本医師会役員(会長、副会長、常任理事)選定の件」については一括上程され、提案理由の説明が行われた。
会長(定数1名)に関しては、定数以上の2名の立候補者があったため、選挙となり、その結果、投票総数376票(無効票1票、白票1票)のうち、松本氏(埼玉県)が310票、松原謙二氏(大阪府)が64票をそれぞれ獲得。松本氏が会長に選任された。
副会長(定数3名)、常任理事(定数10名)、理事(定数15名以内)、監事(定数3名)については、まず副会長の選挙が行われた。
その結果、茂松茂人氏が265票、猪口雄二氏が262票、角田徹氏が250票、今村聡氏が227票をそれぞれ獲得。出席代議員の過半数を獲得し、得票数の多かった上位3名が副会長に選任された。
常任理事については、当初、定数を超える立候補があったものの、1名が辞退したため、選挙は行われず、神村裕子、宮川政昭、黒瀨巌、細川秀一、今村英仁、江澤和彦、釜萢敏、城守国斗、長島公之、渡邊弘司の各氏が常任理事に選任された。
その他、理事については松家治道、河野幸治、平石英三、八田昌樹、池端幸彦、森崎正幸、大久保ゆかり、尾﨑治夫、野並誠二、渡辺憲、小出詠子、金井忠男、堂前洋一郎、紀平幸一、佐藤和宏の各氏が、監事については馬瀨大助、河野雅行、平川博之の各氏がそれぞれ選任された。
選任後、賛成多数で各候補者が会長、副会長、常任理事に選定され、役員全員が登壇。松本会長が代表してあいさつを行い、「現在のわが国、医師会を取り巻く環境は厳しいものがあるが、先生方のご協力を頂いて、この難局を乗り切っていきたい」と引き続きの支援を要請し、定例代議員会は終了となった。
翌26日には第152回日本医師会臨時代議員会が行われ、「第1号議案 令和5年度日本医師会会費賦課徴収の件」を賛成多数で可決した他、各ブロックからの代表質問に対して、執行部から回答を行った(回答の要旨は別記事参照)。
執行部の職務分担が決定
松本会長は6月29日、定例記者会見を行い、令和4年度第9回常任理事会で決定した執行部の職務分担(別掲)を公表した。
重要な医療政策と医療保険については三副会長全員に担当してもらうとした他、3名の新常任理事の分担については、これまでの地元の医師会の経験や専門分野等も踏まえて決定したと説明した。
また、組織強化については、「今執行部で力を入れて取り組んでいく事項である」とした上で、医師会組織強化検討委員会の担当に釜萢常任理事、若手の医師の意見を聞く未来医師会ビジョン委員会の担当に今村常任理事をそれぞれ充てることを明らかにした。
日本医師会執行部職務分担表【役員別】
令和4年6月28日
会長松本 吉郎 総括 副会長 茂松 茂人 年金、医療政策、医療保険、労災・自賠責、介護保険・福祉(認知症を含む)、救急災害医療、医療関係職種、薬事・医療機器、学校保健、産業保健、健康スポーツ、公衆衛生・禁煙対策・がん対策、健・検診、感染症危機管理対策・予防接種、医療安全、治験促進センター 角田 徹 総務、財務、会員福祉、医師国保、医療政策、広報、情報、会員情報(電子認証センター)、医療保険、学術・生涯教育(医学会)、図書館、男女共同参画、地域医療、国民生活安全対策、共同利用施設、外国人医療、先端医療、生命倫理、精度管理、国際、日医総研、女性医師支援センター 猪口 雄二 税制、医療機関経営、医療政策、医療保険、勤務医、病院、有床診療所、医療廃棄物、環境保健、医師の働き方、精神保健(障害を含む)、周産期・乳幼児保健、小児在宅ケア、医事法制、検案、医賠責 常任理事 釜萢 敏 総務、学術・生涯教育(医学会)、医療関係職種、感染症危機管理対策・予防接種 城守 国斗 医師国保、図書館、医師の働き方、日医総研 長島 公之 情報、会員情報(電子認証センター)、医療保険、健康スポーツ 江澤 和彦 介護保険・福祉(認知症を含む)、地域医療、精度管理、精神保健(障害を含む)、小児在宅ケア 宮川 政昭 税制、医療機関経営、薬事・医療機器、生命倫理、健・検診、治験促進センター 渡邊 弘司 会員福祉、医療廃棄物、先端医療、学校保健、周産期・乳幼児保健、医事法制 神村 裕子 年金、男女共同参画、有床診療所、国民生活安全対策、産業保健、女性医師支援センター 細川 秀一 労災・自賠責、救急災害医療、環境保健、医療安全、検案 今村 英仁 財務、勤務医、病院、国際、医賠責 黒瀨 巌 医療政策、広報、共同利用施設、外国人医療、公衆衛生・禁煙対策・がん対策 |