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令和4年(2022年)6月20日(月) / 日医ニュース

ウクライナからの避難民に対する医療等の支援に関する要望書提出

ウクライナからの避難民に対する医療等の支援に関する要望書提出

ウクライナからの避難民に対する医療等の支援に関する要望書提出

 日本医師会はこのほど、中川俊男会長名でウクライナからの避難民に対する医療等の支援に関する松野博一内閣官房長官宛ての要望書(下掲)を取りまとめ、6月3日には今村聡副会長が衆議院第一議員会館の木原誠二内閣官房副長官のもとを訪れ、要望書を手交した(写真)
 今村副会長は、EU加盟国ではウクライナ避難民を対象に、医療を含めた社会的保護の提供が義務付けられ、その費用は無償としているのに対し、日本では身寄りがない避難民に限り政府が医療に係る実費負担を支援しており、これらを踏まえて各自治体が追加した支援をしている現状を指摘。身寄りの有無にかかわらず、公的保険が適用されるまで政府が医療費を負担することや、公的保険適用後の自己負担等の支援、メンタルヘルスを含む健康管理体制の支援の他、国や自治体による医療支援体制・法的手続きなどについての丁寧な説明等を求めた。
 木原副長官は、「日本財団が身寄りがある人を中心とした大規模な支援を行っており、政府はそれを補完する形で身寄りがない人へ支援を行っている」と説明した上で、状況を精査して対応していく意向を示した。

令和4年6月3日

内閣官房長官 松野 博一 先生

日本医師会 会長 中川 俊男

ウクライナからの避難民に対する医療等の支援について

 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が生じてから約3カ月が経過し、ウクライナからの避難民は5月29日時点で1,122人に上り、うち、身寄りがなく政府が手配した一時滞在先ホテルに70人の方が滞在していると報道されております。
 政府は、身寄りがない避難民に対して、医療や日本語教育、就労支援等に係る実費負担を行う財政支援を行われております。一方で、親族や知人等を頼って来日された身寄りの関係性は様々であり、その身寄りが負担する諸費用は増加しております。そのため、身寄りの有無に関わらず、手厚い支援が求められます。
 また、避難民の方々にとって、母国を離れ、言語や文化が異なる国での生活は精神的な負担が大きく、日本での生活を安心して過ごすために医療は欠かせません。良好な健康状態で、日本での生活に慣れ親しんでいただくためにも、政府へ以下の4点のさらなるご支援をいただきますようお願い申し上げます。

  1. 身寄りの有無に関わらず、公的保険が適用されるまでの医療費負担や、公的保険適用後の自己負担等の支援
  2. メンタルヘルスを含む健康管理体制の支援
  3. 特定活動の在留資格へ変更等の手続きの迅速かつ柔軟な対応
  4. 国や自治体による医療支援体制や法的手続きなどの丁寧な説明

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