年女なので作文を、とのこと。12歳、24歳、36歳の頃のことを考えていた時、12歳(6年生)の時の担任、F先生のことを思い出しました。当時の私はかなり自由な子どもだったので、先生を困らせた記憶が多いです。
図工の時間。「働く人々」というテーマで版画を制作しました。みんなが働く人を描く中、私はなぜかどうしても「南極で、足の上に卵を乗せて温めるペンギン」が描きたくなってしまいました。制作期間中、先生は全く何も言わずに見守って下さいました。完成したペンギンを提出した時、色々感想を言って下さった後、最後の最後に「でも今回のテーマは『働く人々』だったんだけどね」とぽつりとおっしゃったのが今も心に刺さっています。途中で何か言いたくなかったのかな。半分諦めていたのかな。でも見守って下さったことに感謝しています。そして反省しています。
体育の時間。水泳のチャレンジ目標が箇条書きされ、児童それぞれがシーズン中に達成できた項目をチェックしていく表がありました。でも、私も含めみんなのチャレンジが少なく、特にその中の一つ「700メートル遠泳」は誰もやっていませんでした。先生が「何で挑戦しないんだ!」と怒っておられた時、「できるわけないやん」とぼそっと言ったのが先生の耳に入ってしまい、「やってみなきゃ分からんだろ!!」とものすごく怒られたことがありました。
私は運動が苦手で、体育の通信簿は5段階中永年「2」でしたから、700メートル遠泳なんてまさに「できるわけないやん」です。でも、ものすごく怒られて意地になったのか「じゃ、やる」と言ってしまい、次の体育で挑戦することに。友人2人も付き合ってくれて、3人で挑戦しました。25メートルプールを延々と往復。しんどくてものすごく時間が掛かりましたがゴールしました。自分も含めみんなびっくり。やればできるもんだなと実感しました。運動の苦手な私が「できるわけないやん」と言った時、先生は「そうだね~お前は無理だよね~」と思わなかったのかな。その時も見守って下さいました。
6年3学期の通信簿も体育は「2」でしたが、通信簿をもらいに行った時、「体育はお前には2しかやれん。でも頑張ったから」と、2の斜め上に、鉛筆で小さいマルを書いて下さいました。とてもうれしかったです。苦手でも好きでいていいんだ、頑張っていいんだと思いました。今回久しぶりにそのマルを見てみましたが、ものすごく小さいマルでした。
数年前、同級会で、F先生にお会いしました。お酌をしに行き、「先生のお陰で人生が少し変わったと思います。大げさではなくて。ありがとうございました」とお礼を言いましたが、「またまた~」と一笑に付されてしまいました。言葉が足りず伝わらなかったかな。でも、本当に感謝しています。
48歳。やりたいことがいろいろあります。「やればできる」です。