安価な組み立て式机を診察室に持ち込んでから始めた開業医生活も、早いもので二十数年が経過しました。
不安に満ちた当初から数年が経過し、少し精神的余裕ができた頃、子どもを抱えたお母さんに診察室ドアの開閉をさせるのも気が引けると、開閉は私が手元のリモコンで行う電動カーテンに変更しました。子ども達は、ひとりでに開閉するように見えて驚いたり喜んだり、お母さん方にも好評でした。ただ、子ども達が力任せにカーテンを開け閉めして機械の故障がままあることが欠点。昨年も故障し、新型コロナ関連で修理もままならなくなったこともあって、思い切って電動をやめて普通のカーテンに戻し、その旨を表示しました。
しかし、長年の習慣とは恐ろしいもので、やめて何カ月にもなりますが、多くの方がカーテンの前で止まって開閉を待ったり、開けても閉めずにそのまま行かれたりと、悪い習慣が身に付くきっかけを作ってしまったかなと感じるとともに、慣れた動作を元に戻すのは一苦労することを痛感。
一頃(ひところ)、海外で日本人がタクシーを降りた後にドアを閉め忘れると話題になったことを思い出しました。便利に慣れすぎると怖い!?
そんなこともあってわが家では、ウォシュレットの自動洗浄機能はあえてオフにしています。出先で流し忘れがあったりしたら目も当てられませんから......。
もともと無精なたちの自分、年を取った今、あえて不便を選択するというのもありかも知れないと思えるこの頃です。