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令和3年(2021年)10月5日(火) / プレスリリース / 日医ニュース

令和3年10月以降の政府の新型コロナウイルス感染症に関する医療機関への支援策に一定の評価

 政府が、新型コロナウイルス感染症に関する診療報酬の特例措置の期限が9月末で切れることに伴う措置(下掲)を9月28日に決定したことを受けて、日本医師会は同日、中川俊男会長名の見解(下掲)を公表した。
 見解の中で中川会長はその内容について、「今後、各地域において、医療機関がより一層連携し、新型コロナウイルス感染症への対応を進めていく体制を構築していくために、必要な支援が盛り込まれたものと受け止めている」として一定の評価をする考えを示すとともに、地域の医療提供体制は依然として厳しい状況にあるとして、引き続きの支援を求めた。

感染防止対策の継続支援・コロナ患者診療に係る特例評価の拡充

※厚生労働省公表資料を一部抜粋

○医療、介護、障害福祉における感染症対策について、そのかかり増し経費を直接支援する補助金により支援を継続する。申請手続は、できる限り簡素な方式とする。
○加えて、医療機関等における新型コロナ患者への診療に対する診療報酬上の特例的な対応を更に拡充する。

1 各施設・事業所における感染防止の支援の継続

医療対象経費(共通)
国直接執行の補助金により、以下のとおり実施
・病院・有床診療所(医科・歯科) 10万円上限
・無床診療所(医科・歯科) 8万円上限
・薬局、訪問看護事業者、助産所 6万円上限
令和3年10月1日から12月31日までに掛かる感染防止対策に要する費用
介護
地域医療介護総合確保基金の枠組みを活用し、基本報酬の0.1%特例の対象としていた全ての介護施設・事業所に対して実施
・平均的な規模の介護施設において、 6万円上限
※サービス別等に補助上限を設定
※医療系の介護サービスを行う医療機関等(病院、診療所、薬局、訪問看護事業所)に医療の補助金が支給される場合は、当該補助金で対応
障害福祉
都道府県等向けの補助金の枠組みを活用し、基本報酬の0.1%特例の対象としていた全ての障害福祉サービス等事業所に対して実施
・平均的な規模の入所施設において、 3万円上限
※サービス別等に補助上限を設定
※障害福祉サービス等を行う医療機関・介護事業所に、医療または介護の補助金が支給される場合は、当該補助金で対応

2 新型コロナ患者の診療に係る診療報酬上の特例的な対応の拡充

外来
◆疑い患者への外来診療の特例拡充<令和4年3月末まで>
 院内トリアージ実施料の特例300点→550点
 ※診療・検査医療機関に限定、自治体HPでの公表が要件
◆コロナ患者への外来の特例拡充
 ロナプリーブ投与の場合:950点→2,850点(3倍)
 その他の場合:950点
在宅
◆自宅・宿泊療養者への緊急の往診の特例拡充
 ロナプリーブ投与の場合:950点→4,750点(5倍)
 その他の場合:950点→2,850点(3倍)
◆自宅・宿泊療養者への緊急の訪問看護の特例拡充
 520点→1,560点(3倍)

※診療報酬における小児外来に係る特例(医科:50点など)については、支援を継続する。<令和4年3月末まで>

令和3年10月以降の医療機関等における感染防止対策の継続支援・コロナ患者診療に係る特例的な評価の拡充について

令和3年9月28日
公益社団法人 日本医師会会長 中川俊男

 この度、10月以降の医療機関等における感染防止対策支援の継続及び新型コロナウイルス感染症の診療等に係る特例的な評価の拡充が決定されたことについて、日本医師会として一定の評価をしたいと思います。
 令和3年度の当初予算で措置された新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬での特例的な対応は、令和3年4月から9月までの措置であり、延長しないことが基本とされていました。これに対し、日本医師会は新型コロナウイルス感染症による全国の深刻な状況と医療従事者の献身的な取り組みを踏まえ、政府・与党を始め関係各所に対して10月以降の継続的な支援を強く求めて参りました。その結果、田村憲久厚生労働大臣を始め厚労省の必死の調整もあり、今回の拡充に至りました。
 まず、医療機関の感染拡大防止対策に対する支援については、日本医師会からも継続が必須であると申し上げてきており、令和3年10月1日から12月31日までに掛かる感染拡大防止対策に要する費用として、病院及び有床診療所に10万円、無床診療所に8万円が補助されることとなりました。引き続き各医療機関において感染症の拡大防止を徹底して参ります。なお、厚生労働省には補助金申請手続きの簡素化、交付の迅速化等をぜひお願いします。
 診療報酬については、入院では現行の新型コロナウイルス感染症患者に対する入院診療に係る評価を維持されたこと、また外来では、従来の新型コロナ疑い患者に対する院内トリアージ実施料300点に加えて、診療・検査医療機関が医療機関名を公表する場合には、令和4年3月末までの措置として、250点上乗せして550点とされたことを評価します。今後の季節性インフルエンザも含め感染症が流行する冬期に向け、各地域の医療提供体制をより強化すべく有効活用していきたいと思います。
 その他、自宅及び宿泊療養者への往診・訪問診療等についても診療報酬上の評価の充実が図られました。
 今後、各地域において、医療機関がより一層連携し新型コロナウイルス感染症への対応を進めていく体制を構築していくために、必要な支援が盛り込まれたものと受け止めています。
 しかし、先日、社会保障審議会医療保険部会で暫定版に公表された令和3年4、5月の医療費が、休日補正後で新型コロナウイルス感染症拡大前の令和元年よりも低い水準に留まっているように、地域の医療提供体制は依然として厳しい状況にさらされています。日本医師会は、地域の実情にきめ細やかに応えるべく、今後も引き続き十分な支援を行って頂くことを強く望みます。

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