中川俊男会長は6月9日の定例記者会見で、新型コロナワクチンの接種場所が職域・学校にまで拡大していく中で、日本医師会女性医師バンクに「新型コロナワクチン接種人材確保相談窓口」(以下、相談窓口)を日本看護協会の協力の下、同日付で立ち上げたことを報告し、その活用を呼び掛けた。 |
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今回設置した「相談窓口」の大きな特徴としては、(1)一つの「相談窓口」で医師、看護師の人材確保の相談が可能、(2)紹介手数料、成立手数料等が無料で利用可能(ただし、接種従事者に対する報酬に関しては実施主体が負担することになる)―が挙げられる。
利用を希望する場合は、まず日本医師会ホームページ内の「新型コロナワクチン接種人材確保相談窓口」サイトにある「お問い合わせフォーム」に情報を入力する。相談窓口の担当者が折り返し連絡し、状況を確認した上で、医師については日本医師会女性医師バンクで、看護師については各都道府県のナースセンターで、それぞれ必要な人材を紹介することになる(図)。
なお、ナースセンターでは4200名を超える潜在看護職員等がワクチン接種研修を修了し、就業・協力の意向を示している。
会見の中で中川会長は、この相談窓口を通じて、自治体や職域接種を行う民間企業等と、医師・看護師のマッチングを進めていく方針であることを説明。その活用を求めるとともに、同窓口で職域接種の体制づくりのための支援もしていく意向を示した。
会見に同席した担当の神村裕子常任理事は、相談窓口を設置した背景について、(1)日本医師会で設置・運営し、登録している女性医師向けに職業紹介事業を行っている「女性医師バンク」に対して、自治体や民間企業から、ワクチン接種の人材確保に関する相談が多数寄せられていた、(2)ワクチン接種の担い手不足感は、接種に協力する意思を示している医師・看護師等と、人材を必要としている自治体等との間でマッチングの仕組みがうまく機能していないことが障害となっていた、(3)女性医師バンクに登録している女性医師(全国で約2800名)に意向調査を実施したところ、その内の850名の医師がワクチン接種への協力を申し出た―ことがあったと説明。「今回、相談窓口を設置したことで、ワンストップで医師と看護師の両人材の確保相談の受け付けが可能になる」として、設置した意義を強調した。
また、同常任理事は、今回の相談窓口が広く知られることで未登録の女性医師や、定年退職等で未就業の男性医師の同バンクへの加入申し込みが促されることに期待感を示し、「今後、更に増える企業等からの相談に対しても、丁寧に対応していきたい」と述べた。