政府は6月1日、「死因究明等推進計画」を閣議決定した。
本計画は、令和2年4月1日に施行された「死因究明等推進基本法」に、政府が死因究明等の施策に関する推進計画をまとめるよう明記されていたことを受けて、策定されたものである。
今回の計画策定に当たっては、今村聡副会長が専門委員を務めていた厚生労働省「死因究明等推進計画検討会」で取りまとめた報告書を基に、中川俊男会長が本部員となっている厚労省「死因究明等推進本部」(本部長:田村憲久厚労大臣)において、持ち回りで議論が行われ、了承された。
本計画の中では、死因究明等の到達すべき水準として、①死因究明等を社会全体で重要な公益性を有するものとして、位置付ける②必要な死因究明等が実現される体制を整備する③専門的科学的知見に基づき、客観的かつ中立公正に適切に実施する④その成果が、死者及びその遺族等の権利利益の擁護、疾病の予防・治療等の公衆衛生の向上・増進、災害・事故・犯罪・虐待等における被害の拡大防止、予防可能な死亡の再発防止等にも寄与する―ことが明示されている。
そのために講ずべき施策としては、「死因究明等に係る人材の育成」「死因究明等に関する教育及び研究の拠点の整備」「死因究明等を行う専門的な機関の全国的な整備」などを挙げ、国はその施策を実施する責務を有するとしている他、地方公共団体の責務として地域の状況に応じた施策実施、地方協議会設置の努力義務を明記。更に医療機関、関係団体、医師、歯科医師、その他の死因究明等に関係するものは、国や地方公共団体の施策が円滑に実施されるよう、相互連携を図り協力することが求められるとしている。
なお、同計画は3年に1度見直されることになっている。