1 中川執行部が発足
昨年6月27日に開催された第147回日本医師会定例代議員会において、中川俊男会長が選挙戦を制し、第20代日本医師会長に就任することになった。就任後の記者会見で中川会長は、前執行部のあり方を継承しつつ、自身の思いを加味した新たな日本医師会をつくる決意を表明した。
2 「みんなで安心マーク」を発行
国民に安心して受診してもらうため、感染症対策をしっかり行っている医療機関に対して、昨年8月7日から「みんなで安心マーク」の発行を開始した。
また、PR動画も制作し、10月28日には動画に出演した佐々木希さんも出席の下、その発表会を日本医師会館で開催した。
3 医療界一丸となり、「医療緊急事態」を宣言
新型コロナウイルス感染症の患者急増に伴い逼迫する医療提供体制の崩壊を阻止するべく、四師会、四病院団体協議会並びに東京都医師会は昨年12月21日、緊急の合同記者会見を開催し、医療界の一致した意見として「医療緊急事態」を宣言した(別記事参照)。
4 「新型コロナウイルス感染症対応医療従事者支援制度」「新型コロナウイルス感染症対応日本医師会休業補償制度」を創設
新型コロナウイルス感染症に感染、またはそれが原因で死亡した場合に、医療機関が少ない負担で医療従事者に対する補償を行うことができるように「新型コロナウイルス感染症対応医療従事者支援制度」を、また、濃厚接触も含め、一時的に閉院または外来閉鎖を余儀なくされた時の逸失利益や、家賃などの継続費用を補償するために「新型コロナウイルス感染症対応日本医師会休業補償制度」(会員限定)を創設するなど、医療従事者や会員医療機関経営の支援を行った。
5 「今後の感染拡大を見据えたPCR等検査体制の更なる拡大・充実のための緊急提言」を公表
中川会長は昨年8月5日の定例記者会見で、医師がPCR検査及び抗原検査が必要であると認めた場合に確実にPCR等検査の検査を実施できるよう、「保険適用によるPCR等検査の取り扱いの明確化」等を求める「今後の感染拡大を見据えたPCR等検査体制の更なる拡大・充実のための緊急提言」を公表。国に対して、財源の確保とともにその実現を強く求めた。
6 横倉前会長に日本医師会「名誉会長」の称号を授与
中川会長の発案により、横倉義武前会長に「名誉会長」の称号を授与することを昨年8月18日開催の令和2年度第6回理事会において決定した。
7 「日本医師会COVID-19有識者会議」を設置
新型コロナウイルス感染症の感染爆発と医療崩壊を防ぐため、日本の医学の叡知(えいち)を結集することで、医学を基盤とする科学的根拠に基づく医療を構築することを目的として、日本医師会内に「日本医師会COVID-19有識者会議」を設置。昨年4月18日に第1回目の会議を開催した。
8 都道府県医師会長協議会を発展的に解消し、「都道府県医師会長会議」を開催
都道府県医師会長から積極的な政策提言を求める機会とするため、都道府県医師会より寄せられた議題について、執行部が答弁を行う形式で開催されてきた「都道府県医師会長協議会」を、中川会長の発案により「都道府県医師会長会議」に改変し、昨年9月15日に第1回目の会議を開催した。
9 日本医師会・日本医学会合同記者会見で乳腺外科医控訴審判決に関する見解を示す
準強制わいせつ罪で起訴され、東京地方裁判所で無罪判決を受けた乳腺外科医に対して、東京高等裁判所が7月13日に逆転有罪判決を言い渡したことを受けて、中川会長は昨年7月22日、門田守人日本医学会長と合同記者会見を実施。判決は医学的にも問題が多いとして、強い抗議の念を示した。
10 記念誌「日本医師会平成三十年の歩み」を発刊
日本の医療が「平成」という時代をいかに歩んできたのかを、日本医師会の歩みを中心に取りまとめた記念誌「日本医師会平成三十年の歩み」を発刊。都道府県・郡市区等医師会などに配布するとともに、日本医師会ホームページにも掲載した。