第147回日本医師会定例代議員会が6月27日に、日医会館大講堂で開催された。 定数を超えて立候補のあった会長選挙では中川俊男氏が選挙戦を制し、第20代日医会長に就任することになった。 |
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中川新会長は、北海道旭川市出身の69歳。札幌医大を卒業後、昭和63年に札幌市内に脳神経外科病院を開設。現在は同病院の理事長を務めている。
医師会歴としては、平成9年に北海道医師会常任理事に就任。平成18年に常任理事として日医執行部入りを果たした後は、平成22年から令和2年まで日医副会長を5期務めた。
その他、国の審議会委員としては、これまで中央社会保険医療協議会委員、社会保障審議会医療部会委員などの要職を歴任している。
北海道出身の医師が日医会長に就任するのは初めてのこととなる。
当日の定例代議員会では、始めに日医代議員会議長及び副議長の選定が行われた。
2名の立候補があった代議員会議長に関しては選挙が行われ、191票を獲得した池田秀夫氏(佐賀県)を選定。一方、副議長は1名のみの立候補であったため、無投票で太田照男氏(栃木県)が選定された。
引き続き、昨年度中に物故された会員の御霊に全員で黙禱(もくとう)を捧げた後、「令和2年度日本医師会事業計画及び予算」「令和元年度日本医師会事業報告」の説明が行われた。
その後は、議事に入り、第1号議案「令和元年度日本医師会会費減免申請の件」(減免申請は合計1万7194名で減免申請金額は4億3959万5千円。その内訳は、高齢の事由によるものが1万896名で3億8097万8千円、疾病その他の事由によるものが525名で2283万6千円、出産・育児によるものが79名で246万3千円、研修医が5694名で3331万8千円となっている)、第2号議案「令和元年度日本医師会決算の件」(4月24日の会計監査人の監査、5月8日開催の財務委員会での審査を経て、5月12日開催の第4回常任理事会において承認を得、監事による監査を受け、承認された)、第3号議案「令和3年度日本医師会会費賦課徴収の件」(会費賦課額、徴収方法等、令和2年度と同様に実施する)を賛成多数で可決した。
第4号議案「日本医師会役員(会長、副会長、常任理事、理事、監事)及び裁定委員選任の件」、第5号議案「日本医師会役員(会長、副会長、常任理事)選定の件」については一括上程され、提案理由の説明が行われた。
会長(定数1名)に関しては、定数以上の2名の立候補者があったため、選挙となり、その結果、投票総数371票(無効票2票、白票4票)のうち、中川氏(北海道)が191票、横倉義武氏(福岡県)が174票をそれぞれ獲得。中川氏が会長に選任された。
副会長(定数3名)、常任理事(定数10名)、理事(定数15名以内)、監事(定数3名)、裁定委員(定数11名)については、当初、定数以上の立候補のあった副会長、常任理事で立候補の辞退があったため、定数どおりとなり、副会長には今村聡、松原謙二、猪口雄二の各氏が、常任理事には羽鳥裕、釜萢敏、松本吉郎、城守国斗、長島公之、江澤和彦、橋本省、宮川政昭、渡辺弘司、神村裕子の各氏が、また、理事には長瀬清、尾﨑治夫、小原紀彰、入江康文、松山正春、河野雅行、斎藤義郎、菊岡正和、樗木等、二井栄、野田正治、中尾正俊、藤井美穂、松井道宣の各氏がそれぞれ選任された。
選任後、賛成多数で各候補者が会長、副会長、常任理事に選定され、役員全員が登壇。中川会長が代表してあいさつを行い、「これから日医はどう変わるべきか。柔軟でかつ強靱(きょうじん)な、そして国民の健康と命を守るためならどんな圧力にも決して負けない、そして堂々とものを言える新しい日医に変えていこうと思っている」と述べ、引き続きの支援を要請した。
また、中川会長は、横倉前会長について、「日医史上、最高の会長の一人である。定款には規程はないが、日医の名誉会長に就任してもらいたいと考えているがいかがか」と提案し、賛意を得て、定例代議員会は終了となった。
執行部の職務分担を公表
中川会長は7月1日、定例記者会見を行い、執行部の職務分担(下記)を公表。その意図については、「職務分担の振り分けは、前執行部の機能を更に"リニューアル""ブラッシュアップ""パワーアップ"の三つの視点で考えた」とし、役員間の業務量のバランスにも配慮したことを強調。立候補に当たり公約に掲げていた医療機関経営の支援に関しては、松本吉郎常任理事を担当役員とすることを明らかとした。
日本医師会執行部職務分担表【役員別】
令和2年7月7日
会長中川 俊男 総括 副会長 今村 聡 総務担当 松原 謙二 学術担当 猪口 雄二 政策担当 常任理事 羽鳥 裕 健康スポーツ、学術・生涯教育(医学会)、倫理、医療廃棄物、公衆衛生・禁煙対策・がん対策 釜萢 敏 地域医療、医療関係職種、感染症危機管理対策・予防接種 松本 吉郎 総務、医療保険、共同利用施設、環境保健、医療機関経営 城守 国斗 広報、医療安全、医賠責、医師国保、日医総研 長島 公之 医療政策、情報、救急災害医療、労災・自賠責、年金、会員情報(電子認証センター) 江澤 和彦 介護保険・福祉(認知症を含む)、精度管理、精神保健(障害を含む)、図書館 橋本 省 財務、国際、勤務医、病院 宮川 政昭 税制、薬事、健・検診、治験促進センター 渡辺 弘司 学校保健、先端医療(遺伝子医療、再生医療、生殖医療、臓器移植等)、周産期・乳幼児保健、医事法制、検案 神村 裕子 産業保健、国民生活安全対策、有床診療所、会員福祉、男女共同参画、女性医師支援センター |