閉じる

令和2年(2020年)7月5日(日) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

医師の特殊性を踏まえた働き方検討委員会答申まとまる

日医定例記者会見 6月10・17日

 小玉弘之常任理事は、医師の特殊性を踏まえた働き方検討委員会が、横倉義武会長からの諮問「地域住民が安心して暮らせる医療提供体制を維持し、医学の進歩に資する働き方の検討」について答申を取りまとめ、6月11日に岡崎淳一委員長(元厚生労働審議官)から横倉会長に提出したとして、その概要を説明した。
 答申は、(1)はじめに、(2)医師という職業とは、(3)改革の必要性、国民の理解、(4)医師の働き方の制度の在り方、(5)2024年度における新制度施行について、(6)個別に検討すべき論点、(7)むすび―で構成されている。
 (1)では、本委員会の設置経緯に触れた上で、新型コロナウイルス感染症の拡大もあり、医学・医療をつかさどる医師のどのような働き方が国民の期待に応えられるかについて議論したとするとともに、本答申では国の検討会での議論の内容を踏襲(とうしゅう)した新たな視点での提言を示したとしている。
 (2)では、医師の原点を見つめ直し、働き方に関する個人間の考え方の乖離(かいり)を埋めるために、さまざまな職業倫理で示された奉仕の精神「不易」から外れないよう厳重に注意を払いつつ、医療技術・情報処理技術・医療提供体制・ライフスタイルなどの新しい考え方「流行」を取り入れる勇気が求められるとしている。
 (3)では、医療機関経営トップ層の意識改革だけではなく、国民に勤務医の労働実態を知ってもらい、その状況改善の必要性を認識してもらうことが必要だとするとともに、地域医療提供体制に一定の変化が生じる可能性への理解を得るためにも上手な医療のかかり方の啓発が重要になるとしている。
 (4)では、①「時間外労働時間の上限・健康確保措置」として、大学附属病院の医師のタイムスタディ結果から見えた医師の働き方の課題に言及。②「地域医療の事例」では、地域における中核病院の現状として、全国で医師の少ない地域の2事例について検討した内容を記している。
 ③「大学附属病院の在り方」では、大学附属病院に勤務する医師の仕事について、教育・研究・診療・地域医療支援の4本柱から成り立っており、一般病院とは異なる大学附属病院独自の課題を挙げるとともに、その解決に向けた提言として、「特に医師の副業・兼業に関して全体の時間外労働時間の上限の方向性に例外は設けるべきではないが、例えば、960時間が上限の場合、副業・兼業のために別枠として1週間当たり8時間、年間420時間まで認める制度を導入し、この範囲内を前提とした労働時間管理、また、健康確保措置について、B水準における連続勤務時間規制、勤務間インターバル規制の義務化はあくまで大学附属病院内での勤務に限定する」とし、副業・兼業先の労働時間を通算した場合の取り扱いは努力義務とすべきだと示している。
 更に、④「様々な労働時間制の検証」では、医療の専門性に応じた柔軟性に富んだ働き方を模索し、診療科ごとにより適した制度を選択することが必要であり、これまで適用を検討することが少なかったフレックスタイム制を取り上げ、柔軟性が高い制度だと指摘している。
 (5)では、国の検討会で決められた内容を進めなければならないとする一方、新型コロナウイルス感染症の影響で新制度の検討が止まっていることを鑑みて、①2024年度からの施行を猶予する、ないしは、②2024年度から実施するがその時点で対応が間に合わない部分について現実に即した判断にて実施する―ことを提言している。
 (6)では、①宿日直適用除外の工夫②育児休業③公立病院の副業・兼業問題等に、また、(7)では、主に医師会の役割について触れられている他、巻末には「医師の時間外労働規制について」等の参考資料が付記されている。
 最後に、小玉常任理事は、本答申が取りまとめられたことを受けた今後の対応について、「本答申の内容を踏まえ、具体的な議論を深めていきたい」と述べた。

戻る

シェア

ページトップへ

閉じる