日医では、新型コロナウイルス感染症が世界各地に拡大していることを受けて、会内に横倉義武会長を本部長とする「新型コロナウイルス感染症対策本部」を設置することを決定。1月28日には、その第1回目の会議を開催した。
会議の冒頭あいさつした横倉会長は、「感染者が世界的な規模で広がりを見せる中で、日医の役員間で情報共有を図るとともに、都道府県医師会・郡市区等医師会に対して情報提供を行い、万が一の事態に備えた国内の医療提供体制をしっかりと整えていくことが重要と考え、対策本部を設置することにした」と今回の対策本部設置の意図を説明した。
その後は、釜萢敏常任理事が、資料を基に(1)これまでの中国及びわが国での対応、(2)当日、政府が新型コロナウイルス感染症を「指定感染症(二類感染症相当)」に指定する閣議決定をした―ことなどを説明。今後も国と連携を図りながら、都道府県・郡市区等医師会を通じて、会員や国民に対し情報提供を行うとともに、日医ホームページに最新の情報を掲載していくとした。
また、同常任理事は、感染を広げないためにも、新型コロナウイルス感染症に罹患(りかん)した疑いのある患者は、事前に保健所等に電話などで連絡してもらうことが重要になると指摘。国に対して、その周知を図るよう求めていく考えを示した。
日医では、今後も同会議を適宜開催し、万が一の場合に備えていくことにしている。
掲示用の資料を作成
また、日医では、医療機関内で同感染症を拡大させないことが今後、重要になることを踏まえ、医療機関に掲示してもらうことを目的とした資料を作成。ダウンロードして活用してもらえるようにそのデータを1月29日、日医のホームページに掲載した(下記参照)。
資料は、院内掲示用、院内入口掲示用の2種類(いずれも中国語によるものも掲載)となっている。
院内掲示用では、症状がある人にはマスクの着用を、14日以内に同感染症の流行地域への渡航歴・滞在歴のある人、または新型コロナウイルス感染症の患者と濃厚な接触があった人には、医療機関の受付にその旨を申し出ることをそれぞれ求める内容となっている。
一方、院内入口掲示用は、必ず事前に最寄りの保健所等に電話で相談してから受診することを求める内容になっている。
更に、2月7~9日にかけては急遽、朝日新聞、読売新聞、日経新聞全国版のそれぞれ朝刊に、別掲の意見広告を掲載。その中では、国と協力して感染拡大の防止に努める考えを示すとともに、感染の疑いがある場合には受診前に最寄りの保健所等の相談窓口に連絡することを求めた他、感染症予防策を示して注意を呼び掛けた。
問い合わせ先
日本医師会 総務課・健康医療第2課 TEL 03-3946-2121(代)