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平成30年(2018年)12月20日(木) / 日医ニュース

ゲノム編集技術を用いたヒト受精胚による児の誕生に関する報道を受けて共同声明を公表

 日医は11月30日、香港で開催された第2回ヒトゲノム編集に関する国際サミットにおいて、中国の賀建奎南方科技大学副教授が、HIV(いわゆる「エイズウイルス」を言う)への感染を抑止するために、ゲノム編集技術を用いた受精胚を使い、双子の女児を誕生させたとの報道がなされたことを受けて、日本医学会と共同で声明を公表。重大な懸念を表明するとともに、同様な非倫理的行為を行うことのないよう、研究や医療に携わるすべての人々に強く要請した。
 声明の中では、双子誕生の真偽は不明とした上で、今回の行為について、生まれてきた女児らの身体的、精神的、社会的な安寧を踏み躙(にじ)るものであるだけでなく、人の尊厳を無視し、生命を軽視するものであり、国際的な倫理規範から見ても常軌を逸したものであると批判。また、HIVに関しても、他にも感染を防ぐ方法があることから、本行為における医学的必要性や妥当性はなく、技術的に確立していないゲノム編集をヒト受精胚に適用することは、医学・技術的な安全面からも大きな問題があるとした。
 その上で今後については、ヒト受精胚へのゲノム編集技術等を用いる研究等の適切な在り方やそのルールの構築に向けた議論に積極的に参画していく中で、科学技術の進展に対する多くの国民の期待に応えていくとするとともに、今回のような非倫理的行為が二度と行われることのないよう、より一層注視していくとしている。
 なお、共同声明の全文については日医ホームページを参照されたい。

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