日本医師会役員就任披露パーティーが7月24日、都内のホテルで開催され、第142回日本医師会定例代議員会で選任・選定された第4次横倉執行部が披露された。 当日は、現役閣僚や与野党の国会議員を始め、約1000名の出席者が集まり、新執行部は祝福と激励を受けた。 |
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新役員一同は午後5時、盛大な拍手に迎えられて登壇。中川俊男副会長が、「横倉執行部として4期目となるが、皆様方のご支援のおかげで順風満帆の船出をすることができた。本日は時間の許す限り楽しい時間をお過ごし頂きたい」と開会を宣言し、パーティーはスタートした。
冒頭、あいさつに立った横倉義武会長は、まず、平成30年7月豪雨で被害に遭われた方々にお見舞いを述べるとともに、JMAT派遣に対する都道府県医師会の協力に対して謝意を示した。
その上で、6年前に「継続と改革」を掲げて会長に就任してから、最大の課題は地域医療を守ることであったとし、これまでかかりつけ医をもつことを呼び掛けるとともに、かかりつけ医機能の維持・向上のために「かかりつけ医機能研修制度」を開始したことなどを説明。「今期については、かかりつけ医を中心とした『まちづくり』、医療政策をリードし続ける『組織づくり』、人材育成の視点に立った『人づくり』を、会務運営に当たっての基本方針としている。今後も『国民と共に歩む専門家集団』として、国民の健康・生命を守っていきたいと考えているので、更なるご支援ご協力をお願いしたい」と述べた。
引き続き、来賓者から祝辞が述べられた。
最初にあいさつした加藤勝信厚生労働大臣は、初めに平成30年7月豪雨の被災地へのJMATの派遣や、世界に誇る医療システムの構築等に対する日医の協力に謝意を表明した他、(1)医師の働き方改革、(2)医師の偏在解消―について言及。(1)に関しては、「大きな課題だが、ぜひ実現しなければならない」とした上で、日医主催の「医師の働き方検討会議」が取りまとめた意見書(別記事参照)を踏まえ、来年3月までには考えをまとめていきたいとした。
また、(2)については、医療法及び医師法の一部を改正する法律案が今国会で成立したことを報告。法の円滑な遂行に向けての協力を求めた。
二階俊博自由民主党幹事長は、「日医の組織の更なる発展がわが国の医療の発展につながると考えている。今後も、党を挙げて日医を支援していくので引き続きの協力をお願いしたい」と述べた。
門田守人日本医学会長は、今わが国は人口の自然減少が起きるなど深刻な状況にあると指摘。「これらの状況に対応していくためにも、日本医学会は学術的な面から日医をサポートし、夢のある方向へとこの国を向かわせていきたい」とあいさつした。
その後、柵木充明日医代議員会議長が登壇。同議長の音頭により乾杯が行われた。
会場は、新執行部に対する大きな期待から、立錐(りっすい)の余地もないほどの盛況ぶりで、横倉会長の周囲は、お祝いや激励の言葉を述べる来賓者であふれた。
国民皆保険を守り医療の質を維持・向上させるための改革に協力を―安倍総理
歓談の合間には、安倍晋三内閣総理大臣、林芳正文部科学大臣、中川雅治環境大臣、松山政司内閣府特命担当大臣、鈴木俊一東京オリンピック・パラリンピック競技大会担当大臣等現役閣僚の他、多くの国会議員、関係団体幹部が訪れ、新執行部誕生を祝った。
安倍総理は「4選を果たし、世界医師会長に就任した日医会長は、横倉会長を含め3人しかおらず、横倉会長はまさに三大医師会長の一人と言える」とその功績を賞賛。また、平成30年7月豪雨の被災地へのJMATの派遣については、「その派遣なくして被災者の心身の健康維持はできなかった」として感謝の意を示した。
その上で安倍総理は、高齢化が進展する中、世界に誇る国民皆保険を守るだけでなく、医療の質を維持・向上させるための改革に引き続き取り組んでいく考えを示し、その遂行に向けた協力を求めた。
中川環境大臣は、「日医の皆さんのご指導・ご協力の下、医療の発展、環境行政の進展に向けて取り組んでいきたいと考えており、引き続きよろしくお願いしたい」と述べた。
午後6時50分、今村聡副会長が参会者に対して、「多くの方々にご参集頂き感謝申し上げる。これから横倉執行部は大海の荒波の中に船出をしていくことになるが、国民の健康・生命を守るため、執行部一丸となって取り組んでいくので引き続きのご支援・ご協力をお願いしたい」と謝辞を述べ、パーティーは盛会裏に終了となった。