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平成30年(2018年)3月30日(金) / 「日医君」だより / プレスリリース

地域医療対策委員会報告書「地域医療構想に基づく将来の医療提供体制に向けて」について

 釜萢敏常任理事は、3月28日の定例記者会見で、地域医療対策委員会が、会長諮問「地域医療構想に基づく将来の医療提供体制に向けて」を受け、7回にわたり議論を重ねた結果を、報告書として取りまとめ、3月27日に、田畑陽一郎委員長(千葉県医師会長)から横倉義武会長に提出したことを報告した上で、その概要を説明した。

 内容は、「はじめに」、(1)地域医療構想の課題、(2)在宅医療等について、(3)地域医療構想調整会議の求められる役割について、(4)地域医療構想に影響を与える施策―の4つを柱に構成されている。

 「はじめに」では、本報告書は可能な限り地域の具体的な事例を示し、地域の実情を踏まえた議論により取りまとめたとした上で、地域医療構想を運用する段階における地域医療構想調整会議(以下、調整会議)の重要性を強く主張するとともに、調整会議での郡市医師会の役割が非常に重要になると指摘。また、それを支援する立場にある都道府県医師会及び日医の連携が必要不可欠であると強調している。

 (1)では、「地域医療構想は病床削減のための制度ではないこと」を改めて提言し、各医療機関の病床機能報告の結果と病床の必要量にずれがある場合でも、機械的に転換を指示することのないよう、調整会議での適切な議論を求めている。

 (2)では、国が示す在宅医療等のサービスの必要量について、「今後、構想区域において在宅医療が必要となるか否かの方向性を示した数値ととらえるべき」としている。

 (3)では、調整会議の場に、公立病院が策定する新改革プラン及び公的医療機関等の2025プランの積極的な提出を求めるとともに、「地域医療構想の進め方に関する議論の整理」の中に「具体的対応方針を決定した後に見直す必要が生じた場合には、改めて地域医療構想調整会議で協議する」との記載があることを指摘し、この記載を基に納得するまで調整会議で議論する必要があるとしている。

 (4)では、医療従事者の確保、地域医療連携推進法人、地域医療介護総合確保基金、報道機関との関係について言及。報道機関については、その情報の影響力は大きいとして、特に、国が示した全国の需要推計の集計は機械的な計算結果に基づくものに過ぎないことや、回復期機能は実際には不足してはいないこと等、地域医療構想に拘わる誤解を解消し、正しい情報を住民やさまざまな関係者に伝えることに期待感を示している。

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