閉じる

平成30年(2018年)3月30日(金) / 「日医君」だより / プレスリリース

母子保健検討委員会答申「新しい子育て支援の在り方について―日本医師会の立場から―」について

 温泉川常任理事は、3月28日の定例記者会見で、母子保健検討委員会が、横倉義武会長からの諮問「新しい子育て支援の在り方について―日本医師会の立場から―」について答申を取りまとめ、3月22日に五十嵐隆委員長(国立成育医療研究センター理事長)から横倉会長に提出したとして、その概要を説明した。

 本答申は、子育て支援の在り方について「産科的アプローチ」と「小児科的アプローチ」という二つの視点から構成されている。

 産科的アプローチでは、主に妊産婦のメンタルヘルスについて具体的対策を提案。ハイリスクアプローチの在り方や、ポピュレーションアプローチにおけるハイリスク妊産婦の抽出について記している。

 また、妊産婦のメンタルヘルスケアにおいては、産婦人科と精神科の連携のみならず、児童相談所など院外の多機能連携が不可欠であることから、今後の課題として、各領域での役割分担・連携方法の明確化、継続的な多職種スタッフのスキルアップ等を提示。問題を抱えた妊産婦を地域全体で見守る体制の構築を訴えている。

 小児科的アプローチでは、わが国の子どもの健診をめぐる現状と課題を述べるとともに、米国の個別健康相談「Health Supervision」を参考に、全ての子どもを身体的・心理的・社会的に捉え支援する仕組みとして、「成人するまでの子どもの日本版個別健康相談体制」を提案。米国における健診は、病気の有無にかかわらず子どもと家庭を支援し、子どものリスクに対応することを目的としていることから、今後、わが国においても、同様の体制の構築が望まれるとしている。

 更に、子どもの貧困などの社会問題や、慢性疾患・障害を持つ子どもと家族に対して、医療従事者が貢献できる取り組みについても言及。

 「おわりに」では、成育基本法の早期成立を引き続き提言している。

 同常任理事は、また、米国小児科学会の子どもの健診ガイドライン「Bright Futures」ポケットガイド版を翻訳中であることを紹介し、「本ガイドラインは、出生前から21歳までの子どもの月齢・年齢層に応じ、各健診で確認すべきポイントと質問例、診察すべき項目などについて記載したもの。翻訳が完成したら、3年間、会員向けホームページに掲載をする」と報告。内科の医師など、多科のかかりつけ医に活用されるよう期待を寄せた。

戻る

シェア

ページトップへ

閉じる