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平成29年(2017年)10月5日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

「平成28年度医療費の動向」の公表等最近の動向を受けて

日医定例記者会見 平成29年9月20日

 横倉義武会長は、厚生労働省から、9月13日に「平成27年度 国民医療費の概況」が、また、同月15日には「平成28年度 医療費の動向」がそれぞれ公表され、14年ぶりに医療費の伸びがマイナスとなったこと等について、日医の見解を説明した。
 医療費の伸びがマイナスとなった理由として、横倉会長は、C型肝炎治療薬の薬価引き下げや治療薬を必要とする患者に行き渡った結果等を挙げ、「今後、C型肝炎の減少による肝硬変・肝不全の減少が見込まれるが、これはまさにイノベーションの成果である。同時に国民の幸福の原点は健康であり、病に苦しむ人を何としても助けたいという医療人の願いが実現された結果と言え、医療側から提言してきた成果でもある」として、今後も提言を続けていくとした。
 これから年末に掛けて、財政健全化を主張する立場や健保連などの支払側から、医療費の抑制を図るべきとの意見が出てくることが予想されることに関しては、「医療側の努力などにより、国民医療費の実績値は過去の推計値を大きく下回っている。こうした医療側の努力をしっかりと評価し、次期改定では、本体に当たる技術料をプラス改定とするためにも、財源を上積みするべき」と主張した。

子ども支援は別財源を確保すべき

 一方、9月11日に開催された第1回「人生100年時代構想会議」において、安倍晋三内閣総理大臣が掲げた「全世代型社会保障への改革」については、日医も、少子化対策の一環として「子ども支援日本医師会宣言」をまとめ、これに基づき子ども支援を推進してきたことを紹介。
 「骨太の方針2015」において、「安定的な財源を確保して実施する追加的な歳出増加要因(子ども子育て・家族支援等)については別途考慮する」と明記されていることから、子ども・子育て支援等の財源は、社会保障の高齢化による自然増の範囲に入れるのではなく、きちんと別の財源を確保すべきであるとした。
 なお、9月28日召集の臨時国会冒頭で衆議院を解散し、消費税率10%への引き上げを予定どおり行う中で、増税分の使い道を見直し、教育の無償化等、全世代型社会保障の実現を目指すことなどを国民に問いたいとの考えも伝えられていることに関しては、「従来の主張どおり、社会保障の充実により国民不安を解消することが経済の好循環につながるとの考えの下、受益と負担の関係を明確にしつつ、増税の結果として安心して社会保障を受けられ、国民負担の軽減につながったという成功体験を持てることも重要であることから、消費税収の使途を債務返済から社会保障の充実に変更することも一つの方法ではないか」との考えを示した。
 最後に横倉会長は、「今後とも政局を注視して対応しつつ、全世代型の社会保障を構築し、国民が安心して暮らせる社会に向けて、適切な財源確保を政府に対して強く求めていく」と強調した。

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