患者搬送固定翼機(メディカルウイング)がこのほど、本格運航することとなり、その就航式が7月30日、北海道の丘珠空港で開催され、横倉義武会長の代理として松本吉郎常任理事が出席した。
メディカルウイングとは、医療機器等を装備し、医師や看護師の搭乗を可能とし、①救命救急医療や高度専門医療を必要とする患者を継続的な医学管理の下、高度及び専門医療機関へ搬送する②患者の状態を踏まえ、救命救急医療に関する専門医、高度・専門的な治療を行う医師・看護師等医療技術者を必要とする医療機関へ人員搬送する―ことを目的とした航空機のことである。
都市部と地方を短時間で結び、医師による早期の救命処置や高度・専門的な医療につなぐことができるため、救急医療の地域格差の是正に、非常に重要な役割を担うものとの期待が高く、北海道医師会では、北海道庁、今回事業を受託した北海道航空医療ネットワーク研究会と共に、実証事業を行うなど、本格運航の実現を強く求めてきた。
日医でも北海道医師会の要望を受けて、平成28年4月に横倉会長が長瀬清北海道医師会長と共に官邸を訪問し、安倍晋三内閣総理大臣に本格運航の実現を強く要望。また、平成30年度概算要求要望においてもその導入支援を求めている。
高橋はるみ北海道知事、長瀬北海道医師会長の出席の下に行われた就航式で横倉会長の祝辞を代読した松本(吉)常任理事は、メディカルウイングの本格運航の実現に向けた関係者の尽力に敬意を表明。災害時なども含めメディカルウイングが果たす役割の意義を強調するとともに、本事業の更なる発展に期待感を示した。