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平成29年(2017年)8月20日(日) / 日医ニュース

医療安全の神様

 新潟県医師会館や大学病院に隣接して、地域の総鎮守、白山(はくさん)神社がある。境内には商売繁盛から縁結び、健康や交通安全など、いろいろなご利益を謳(うた)う神々が祀(まつ)られている。
 その中に、全国で唯一と思われる医療安全の神様がおられる。新潟に医療事故が多いためかと疑ったが、どうやら違うようだ。
 発端は文京区の白山神社、三田線白山駅前にあり、日医会館から歩いても20分の古社である。わが国最後の女帝、後桜町天皇(1740―1813)の歯痛が、この神社の神箸と神塩により治まったことから、歯の神様と言われるようになった。
 その後、系列の白山神社でも歯の神様が祀られるようになり、語呂合わせから"歯苦散(はくさん、歯の苦しみを散らす)"神社と言われることもある。
 他にも全国には多くの歯の神様・仏様がおられ、歯の病気で悩む人や歯学部合格祈願の受験生など、多くの人が訪れていると聞く。
 新潟の歯の神様は独自の発展を遂げ、いつの間にか医療安全の神様とも言われるようになった。しかし、この神様、広報不足のためか地元の医療関係者にすらほとんど知られていない。
 医療事故調査制度がスタートして間もなく2年。大手術を控えた術者や患者など、多くの人がお参りするようになれば、多少なりとも医療安全に貢献してもらえるかも知れない。もし他の地域にも医療安全の神様がおられたら、教えていただければ幸いである。

(骨コツ)

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