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平成29年(2017年)5月5日(金) / 日医ニュース

衆議院厚生労働委員会の参考人質疑に出席

衆議院厚生労働委員会の参考人質疑に出席

衆議院厚生労働委員会の参考人質疑に出席

 鈴木邦彦常任理事は4月11日、衆議院厚生労働委員会に参考人として出席し、「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」(以下、改正案)について意見陳述を行った。
 在宅医療・介護連携推進事業について、同常任理事は、「日医では、市町村と地域の医療体制を担ってきた郡市区医師会が連携することが本事業を進めるポイントであると考えており、都道府県と都道府県医師会が連携し、市町村と郡市区医師会をしっかりと支援していくことが重要である」とするとともに、「都道府県、市町村において、医療と介護の連携を進めるには、行政と医師会が車の両輪となって、お互いに連携しながら取り組んでいく必要がある」と強調した。
 その上で、「今回の改正案では、都道府県による市町村支援を努力義務とすることが明記された。制度的に位置づけられることで、行政が都道府県医師会と緊密に連携して、市町村における在宅医療と介護の連携を支援し、地域包括ケアシステムの構築が推進されることを期待している」と述べた。
 介護療養病床と25対1医療療養病床の移行先にもなる介護医療院については、「在宅医療や介護の分野においても、中重度の要介護者を支えるサービスの整備が進みつつある状況の中で、現行の制度では、入院医療と在宅医療の中間に当たる医療の提供を受けながら長期に療養できる生活施設がない」と指摘。
 「慢性期の医療と介護のニーズを併せ持つ高齢者への対応、そして地域包括ケアシステムの理念でもある"住み慣れた地域で最期まで暮らし続けること"を真に実現するためにも、介護医療院の創設が期待されており、今国会に提出されている改正案の成立が望まれる」とした。
 更に、地域共生社会について、同常任理事は、自身の地元である常陸大宮市の地域活性化プロジェクトでの取り組みを紹介するとともに、今回の改正案では、地域共生社会の実現に向けて「わが事・丸ごと」の理念に基づき、地域の課題について、住民や関係者が把握し、その解決に向けて行政や関係機関との連携が積極的に行われることを目指すことや、市町村が包括的な支援体制づくりに努めることが明記されていることに言及し、「法律の整備により、地域の医療機関等がこれまで行ってきた"まちづくり"のための取り組みが、多くの地域でより一層進むことを期待している」とした。
 なお、当日は、鈴木常任理事の他、4名の参考人が招致され、議員からの質問に答えた。
 質疑の中で、同常任理事は、2割負担者のうち、特に所得の高い層の負担割合を3割とすることについては、「今後の高齢化の進展に伴い、介護の需要が増加する。介護保険制度を持続可能性のあるものとするためには、応能負担を原則として考える必要がある」として、「高齢者の中でも、現役並みの所得のある方等には、更に負担して頂くこともやむを得ないのではないか」と回答。
 また、処遇改善については、「介護従事者処遇状況等調査の結果をみても、効果はあった」とするとともに、「更なる処遇改善を図る場合には、その財源を十分に確保し、本体報酬を引き上げる必要がある」と改めて強調した。
 なお、改正案は4月12日に衆議院厚生労働委員会で、18日に衆議院本会議でそれぞれ賛成多数で可決され、参議院に送られた。
 ※当日の模様は、衆議院インターネット審議中継(http://www.shugiintv.go.jp/)で視聴可能となっている。

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