平成28年度(第50回)臨床検査精度管理調査結果報告書がまとまり、3月24日に、担当の羽鳥裕常任理事同席の下、高木康臨床検査精度管理検討委員会委員長(昭和大学教授)から、横倉義武会長に手交された。
第50回臨床検査精度管理調査は、3223施設の参加の下、昨年9、10月に実施したもので、調査項目は昨年度と同様49項目となっている。
本報告書はその調査結果を取りまとめたもので、(1)調査の概要、(2)評価方法、(3)第50回調査の分析、(4)日本医師会臨床検査精度管理調査の推移、(5)付図・付表、(6)参考―で構成されており、(3)では、部門ごとに、臨床検査精度管理検討委員会の委員が詳細に分析した結果が掲載されている。
高木委員長は、3月3日に開催された平成28年度臨床検査精度管理調査報告会(別記事参照)について触れ、質問も多く出され、盛会裏に終了したことなどを報告した上で、今回の報告書を提出した。
横倉会長は、「日医の精度管理調査は、単に参加施設の評価をすることが目的ではなく、この調査を通じて、検査方法に関する知識を高めるとともに、全国的な趨勢(すうせい)を理解して頂き、検査方法の統一化を図っていくことも目的としている。本報告書はその実現のための有効な手段となっているが、今回で50冊目ということで長きにわたるご尽力に感謝申し上げる」とその労に対して感謝の意を示した。
その他、当日は、検体検査の精度確保のための根拠規定を新設すること等を内容とする医療法等改正案が3月10日に閣議決定されたことも話題に上った。
高木委員長は、これにより、参加施設は来年、再来年には約1・5倍に増えることが予想されるとした上で、「診療所が現在の全ての調査項目を受けるとなると負担も大きくなるので、委員会でも検討し、何か工夫をしていきたい」と説明。これに対して、横倉会長は、「ぜひ、協力をお願いしたい」と述べた。
なお、本報告書は、調査参加施設及び都道府県医師会等に1冊ずつ配布することになっている。