1 第3次横倉執行部が発足
第137回日本医師会定例代議員会が昨年6月25日に開催され、横倉義武会長が選挙戦を制し、3期目を迎えることになった。執行部には、新たに常任理事として、温泉川梅代・市川朝洋・松本吉郎の各氏が加入することになった。
翌26日の第138回日本医師会臨時代議員会で所信表明を行った横倉会長は、「まちづくり」「人づくり」「組織づくり」を基本方針として、3期目の会務に臨む姿勢を示した。
2 日医かかりつけ医機能研修制度をスタート
今後の更なる少子高齢社会を見据え、地域住民から信頼される「かかりつけ医機能」のあるべき姿を評価し、その能力を維持・向上するため、都道府県医師会を実施主体とした「日医かかりつけ医機能研修制度」を昨年4月にスタートさせた。
5月22日に日医会館大講堂で開催された平成28年度応用研修会には6,000名以上が受講(テレビ会議での受講者含む)。かかりつけ医機能の更なる充実・強化に努めた。
3 「新たな専門医の仕組み」の開始延長を四病院団体協議会と共に要望
平成29年4月から開始するとされていた「新たな専門医の仕組み」について、各地域から不安の声が寄せられたことを受けて、横倉会長は昨年6月7日、四病協の各団体の会長らと共に合同緊急記者会見を行い、「地域医療を崩壊させることのないよう、一度立ち止まり、広く関係者の意見を聞くべき」と主張。
日本専門医機構ではこの意見を踏まえて、「新たな専門医の仕組み」の開始を1年延期し、平成30年4月からとすることを決定した。
4 『医師の職業倫理指針』を改訂
会内の「会員の倫理・資質向上委員会」での検討を踏まえて、『医師の職業倫理指針』を8年ぶりに改訂し、第3版として刊行した。
「遺伝子をめぐる課題」を新たな項目として追加した他、改正個人情報保護法や医療事故調査制度関係の記載を盛り込むなど、全般的な見直しが行われている。
5 「日医IT化宣言2016」を公表
会内の「医療IT委員会」の答申を踏まえて取りまとめた「日医IT化宣言2016」を、横倉会長が昨年6月8日の定例記者会見で公表。同宣言を基に従来以上に力を入れて、医療分野のIT化に取り組んでいく考えを示した。
宣言は5項目からなり、ORCAプロジェクトの推進のみの内容にとどまっていた従来の宣言と異なり、医療分野のIT政策全体を包括する内容となっている。
6 産業医・学校医等の医師活動賠償責任補償を拡充
産業医・学校医等の活動(職務)に起因して発生した不測の事故について、会員が法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害に対して、補償(保険金の支払い)を行うため、昨年7月1日より日医医師賠償責任保険制度の補償を拡充することとした。
7 横倉会長が世界医師会台北総会で世界医師会次期会長に選出される
台湾の台北市で10月19日から22日にかけて開催された世界医師会台北総会において、横倉会長が次期会長に選出された。
帰国後、10月26日に記者会見を行った横倉会長は、世界医師会次期会長として広範な課題に取り組む決意を示した。
横倉会長は、今年10月に開催されるシカゴ総会において、世界医師会長に就任することになる。
8 平成28年熊本地震発生を受けてJMATを派遣 4億7千万円を超える支援金が集まる
「平成28年熊本地震」が昨年4月14日に発生したことを受けて、日医では翌15日に「日本医師会災害対策本部」を設置。会員の先生方のご協力の下に7月16日までに568チーム、2,556名をJMATとして派遣した。
また、全国の医師会並びに会員に対して支援をお願いしたところ、総額で4億7千万円を超える支援金が寄せられ、熊本・大分両県医師会に配賦した。
9 厚生労働省、日本糖尿病対策推進会議と「糖尿病性腎症重症化予防に係る連携協定」を締結
糖尿病患者の増加が課題となる中で、地域における糖尿病性腎症重症化予防に向けた取り組みの促進を図ることを目的として、厚生労働省、日本糖尿病対策推進会議と「糖尿病性腎症重症化予防に係る連携協定」を締結した。昨年3月24日には締結式が厚労省の大臣室で行われ、日医から横倉会長、今村聡副会長が出席した。
10 「第2回世界獣医師会―世界医師会"One Health"に関する国際会議」を北九州市で開催
「第2回世界獣医師会―世界医師会"One Health"に関する国際会議」を昨年11月10、11の両日、日医、世界獣医師会、世界医師会、日本獣医師会の主催により、福岡県北九州市で開催した。
秋篠宮同妃両殿下ご臨席の下、執り行われた開会式に続いて、田中耕一氏の基調講演等が行われ、2日目には、「人と動物の共通感染症」の取り組みにおいて、医師と獣医師の連携を強化する内容の「福岡宣言」を満場一致で承認した。