日本医師会役員就任披露パーティーが7月26日、都内のホテルで開催され、第137回日本医師会定例代議員会で選任・選定された第3次横倉執行部が披露された。 当日は、現役閣僚や与野党の国会議員を始め、1000名を超える出席者が集まり、新執行部は祝福と激励を受けた。 (閣僚等は、開催日時点の役職を掲載)
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新役員一同は午後5時、盛大な拍手に迎えられて登壇。中川俊男副会長が、「たくさんの方々にご参集頂き、感激している。おかげさまで横倉執行部も充実の3期目を迎えることができた。本日は何卒よろしくお願い申し上げる」と開会を宣言し、パーティーはスタートした。
冒頭、あいさつに立った横倉義武会長は、参会者に謝意を示した上で、「超高齢社会を迎えたわが国においては、社会保障を充実させることで国民に安心を示すことが必要であり、その安定が経済の成長を促すことにもつながっていく」と強調。
また、2年後に控えた診療報酬・介護報酬の同時改定については、「消費税率の引き上げが2年半延期されたことでかなり厳しい改定になることが予想されるが、国民が安心して医療や介護を受けられるよう、必要な財源の確保に努めていく」とするとともに、「我々医療側からも、予防医療を包含した過不足のない医療を提供できるような提言を行っていく」との考えを示した。
その上で、3期目に関しては、「まちづくり」「人づくり」「組織づくり」の3つを基本方針として、会務に臨むと改めて説明。今後については、「『国民と共に歩む専門家集団』として、世界に冠たるわが国の国民皆保険を堅持しながら、国民の視点に立って、真に国民が求める医療提供体制の確立に向け、執行部一丸となって取り組んでいくので、ご支援・ご協力をお願いしたい」と述べた。
引き続き、来賓者から祝辞が述べられた。
最初にあいさつした塩崎恭久厚生労働大臣は、「新たな局面を迎えている医療・介護分野において、日医には常日頃から強いリーダーシップの下で厚生行政にご協力頂いている」として感謝の意を示すとともに、本年が前身の大日本医師会の発足から100年の節目の年に当たることに触れ、「これを機に新たな保健医療をつくり上げていって欲しい」と述べた。
続いて、高村正彦自民党副総裁・国民医療を守る議員の会会長が登壇。「わが国の健康寿命がトップクラスにあるのは、国民皆保険の下で、日医の会員の先生方に各地域において医療に勤(いそ)しんで頂いているおかげである」として、感謝の意を表明。その上で、「今後も、良質な医療を提供できるような形で国民皆保険をしっかり守っていきたいと考えているので、引き続きの支援をお願いしたい」とした。
髙久史麿日本医学会長は、「日本医学会の下にある126の分科会と一体となって、医学の面から日医を支えていきたい」とするとともに、新執行部が誕生した日本専門医機構にも言及。日医と協力して、その運営の支援をしていきたいとした。
その後、久野梧郎日医代議員会議長が登壇。久野議長の音頭により乾杯が行われた。
会場は、新執行部に対する大きな期待から、立錐(りっすい)の余地もないほどの盛況ぶりで、横倉会長の周囲は、お祝いや激励の言葉を述べる来賓者であふれた。
国民皆保険をしっかり守り 健康寿命を延ばしていくことが重要―安倍総理
歓談の合間には、安倍晋三内閣総理大臣、麻生太郎副総理兼財務大臣、石原伸晃社会保障・税一体改革担当大臣、加藤勝信一億総活躍担当大臣を始めとした現役閣僚の他、稲田朋美自民党政務調査会長、野田毅自民党社会保障制度に関する特命委員会委員長、羽生田俊参議院議員などが訪れ、新執行部誕生を祝うあいさつが行われた。
安倍総理は、「皆さんのご努力により、社会保障費の伸びが低く抑えられている」として感謝の意を表明。今後については、「国民皆保険をしっかり守り、健康寿命を延ばすことで、医療費を強制的にではなく、あくまでも自然な形で引き下げていくことが重要になる」とした上で、「経済が成長していく中で、国民が健康に暮らしていけるよう、引き続き日医と手を携えていきたいと考えているので、ご支援・ご協力をお願いしたい」と述べた。
麻生副総理兼財務大臣は、「日医と財務省双方が今後もコミュニケーションをしっかり取っていくことが大事になる」と強調。
石原社会保障・税一体改革担当大臣は、「創薬・医療機器の開発においても日本がしっかりとリードできる体制を整えることで医師会の先生方を側面からサポートしていきたい」とした。
加藤一億総活躍担当大臣は、「私どもが掲げている一億総活躍の基盤は何と言っても健康であり、安心である。そういう基盤を横倉体制の下でしっかりと築き上げて欲しい」と要望。
稲田自民党政務調査会長は、「年末の予算編成に向けて、先生方のご指導を頂きながら、しっかりとしたものをつくっていきたい」と述べた。
野田自民党社会保障制度に関する特命委員会委員長は、2年後に控えた診療報酬・介護報酬の同時改定について触れ、「国民の今後の人生設計が不安のないものとなるよう、医療・介護体制をしっかりとバックアップしていきたい」とした。
羽生田参議院議員は、「これからも日医と共に国民医療のために力を尽くしていきたい」と明言。
また、先の参議院議員選挙において当選を果たした自見はなこ参議院議員は、選挙への協力に謝意を示すとともに、「今後6年間、皆様のお役に立てるよう頑張っていきたい」として、引き続きの支援を求めた。
午後7時、今村聡副会長が参会者に対して、「多くの方にご参集頂いたことは日医に対する期待の表れであり、責任の重さを改めて感じている。医療を取り巻く現状は厳しいものがあるが、横倉会長の指導の下、皆様方のご協力を得ながら国民医療の向上に引き続き努めていきたいと考えているので、ご支援をお願いしたい」と謝辞を述べ、パーティーは盛会裏に終了となった。